これも認知症なんだ<That's Ninchi Show 2>

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認知症が進むと。。。

認知症が進むと、何もかもわからなくなる?

認知症が進むとどうなるか」に関しては、一般には「何もかもわからなくなる」と思われているかもしれない。

うちの家族も皆、親が認知症になる前はそうだった。発症後もしばらくはそのように思っていた。

だから、「今は施設入所を嫌がっているが、そのうち何もかもわからなくなるから、その時に施設に入れよう」などと考えた。

「養老院には絶対行かないからね」と言う親を説得することに疲れ、施設入所は無理だとあきらめようとしていた時のことだ。

あきらめなくてよかった。

それから八年、「胃ろうで寝たきり」になっているが言葉もわかるし、スタッフと家族の区別もついている。

終末期と言われていても、「何もかもわからない状態」ではない。

大きな誤解だった。認知症という脳機能障害の特徴を理解していたらそのように誤解することはなかったと思う。

「海馬がやせ細る」というのがアルツハイマー病の特徴だ。
海馬はいわゆるメモリー、短期記憶を担っている。

それからすると、どんどん海馬が細くなっていけば「何も記憶できない」状況になるだろうと予測できる。素人考えでは。

また「脳神経細胞は再生できない」ということも一般に知られている。

というわけで、素人考えでは「認知症を発症したらそれまで、どんどんわからなくなって、おしまい」と思ってしまう。

ところが意外なことに、海馬は再生可能だそうだ。
他の神経細胞は自滅したらそれまで、再生することはないのに。

うちの親の海馬も少しは再生されているのだろうか。
それにより最小限の短期記憶が保持されているのかもしれない。

「胃ろうで寝たきり」になっても、簡単な会話ができ、スタッフの指示に合わせて身体を動かすことができている。

今のところ「何もかもわからない」状態はまだまだ、ずっと遠い先のように思う。いつなのか、予測は難しいが。

認知症を発症しても、(特別な場合を除いて)すぐに「何もかもわからない」ようにはならない。それだけは言える。




                                <That's Ninchi Show 2 No.1110>