職員のキャリアと介護の質と。。。
安心できる施設を選ぶのは実に難しい。
選ぶ上で何が一番かというと、やはり「介護の質=レベル」だが、
「介護の質」は「ひと」つまり職員のレベルで決まる。
しかし、最も知りたいことが最もわかりにくいから困る。「介護の質が低いか高いか」は利用してみないとわからないものだ。
ネットに、施設の介護レベルは「経験年数5年以上の介護職員の割合」を見れば(ある程度)わかるという意見が出ていた。
そのデータは「介護情報公表システム」に記載されているらしい。
うちの近所の施設(特養)を検索して、対照的な例がみつかった。
「どこの施設も人手不足で同じ条件」のはずだが、違いはある。
<特養A 定員270人 待機者399人>
介護職員数: 常勤 64人 非常勤 41人 計105人
退職者数: 常勤 18人 非常勤 11人 計29人
経験年数5年以上の介護職員の割合: 7.6%
前年度の退所者: 63人
平均的入所日数: 1424日
<特養B 定員70人 待機者148人>
介護職員数: 常勤 34人 非常勤 4人 計38人
退職者数: 常勤 10人 非常勤 2人 計12人
経験年数5年以上の介護職員の割合: 42.3%
前年度の退所者: 20人
平均的入所日数: 1435日
この二つの施設は共に病院系列で、駅から徒歩数分、千里ニュータウンの緑豊かな環境、事業開始日も2000年前後と、ほぼ同じだ。
どちらもボランティアの受け入れ実績があり、「閉ざされた施設」ではない。ただし、受け入れの頻度などは記載されておらず不明。
平均的入所日数も同じぐらいだ。1400日、三~四年で入所者の顔ぶれが入れ替わると考えてもいい。
どんなに遅くても、順位があとでも、四年間待てば入所できる。
退職者も三割程度で、二つとも同じだ。ただ、定員に対する職員の人数は特養Bのほうが多い。
それがキャリア5年以上の職員の割合に現れているのだろうか?
入所者一人当たりの職員数が多いということが理由だろうか?
確かに、一人で三~四人の老人を世話するのと、二人の老人だけでいいのとでは労働量やストレスの大きさが格段に違うだろう。
7.6%と42.3%という大きな差がつく理由がそれだけだとは思えないが、働きやすい環境だということは言える。
特養Aは定員の割りに待機者が少ないので、比較的早く入所できそうだが、なぜ待機者が少ないのだろうか。
特養Bは定員の二倍以上の待機者だから、特養Aは540人ぐらい待機していてもおかしくない。
「キャリアの少ない新人ばかりの介護では不安」だとして敬遠されているのだろうか。
それはないだろう。入所者の家族に話を聞いてみない限り、入所前に「介護の質」を知ることはできないから。
この二つ、一度見学に行ってみようと思う。
見てみないとデータだけではわからないこともある。
たった一度の訪問でわかるとも限らないが、それでも。
どこがどう違うのか、そこが知りたい。
<That's Ninchi Show 2 No.1104>