介護業者が認知症をわかっていないと。。。
認知症をわかっていない人が多過ぎる。
親が認知症になる前の自分もそうだ。全然わかってなかったから、大きなことは言えないが、それでも「業界の人」は特別だと思う。
介護や医療の関係者は「素人以上の知識とスキル」を持つべきだ。
素人からは「業界の人は詳しい。認知症がわかっている」と思われているはずだし、そう思われるのは当然だろう。
だが、残念ながら多くの場合でその期待は裏切られる。
「忙しいから勉強できない」かもしれないし、医師などは「専門外だから不必要」と思っているのかもしれない。
特に「サ高住」や老人ホームなどを経営する人々、これらの経営者の多くは認知症がわかっていないような気がする。
わかっていたら「安全」を優先した施設経営をめざすだろう。
認知症の人のこと、その特性がわかっていないから、施設での事件や事故が何度も起こっていると思う。
例をあげればきりがないが、たとえば緊急ブザーだ。
認知症の人には緊急ブザーは意味がない。無用の長物だ。
スタッフをなぐったり蹴ったりはできても、ブザーは使えない。
緊急でない時には頻繁にブザーを押してスタッフを呼び出しても、体調不良など緊急の時にはブザーを押すことを忘れている。
うちの親がそうだった。
サ高住の自室のトイレの前で転んで、そのまま。トイレには低い位置にブザーが設置してあるから、立てなくても手は届く。
届くのにブザーを押してスタッフを呼ぶことはなく、食事介助に来たスタッフに発見されるまで何時間もそのまま。
「個室にはトイレにまでブザーが設置してあるから」といって安心できるものではない。それが有効なのは認知症を発症する前まで。
それなのに夜間は二時間に一回の巡回だけ、「緊急ブザーが鳴ったら見に行く」でいいのだろうか。これで安全が保たれるとでも。
「ブザーが鳴らないときは無事」という思い込みは認知症の老人にはあてはまらない。
老人施設の経営者こそ、もっと認知症について学ぶべきだ。
利益優先ではなく安全第一で経営してもらいたいと思う。
<That's Ninchi Show 2 No.1085>