施設入居、親が一大決心してくれたら。。。
親が自ら「サ高住」や老人ホームへ入居してくれたら。
そうしてくれたら、家族はどんなに安心できることか。
ほんとうに子や孫のためを思うなら、親としてはそうするだろう。
住み慣れた自宅や、子や孫など家族への愛着から、また不安感から「施設には絶対行きたくない」という人もいる。
そういう人は「在宅介護がどれだけ大変か」を知らないのだろう。
親戚に、認知症の夫を五年も在宅介護して自宅で看取った人がいる。
息子夫婦と同居だったが、自営業なので一人で世話していた。
老老介護なので施設入所も考えて、夫婦で体験入所してみたが、どこの施設も「ほったらかしで、不安」だったそうだ。
「料金の高い所でもほったらかし。かわいそうだから自分で限界まで世話する」と言ってがんばっていた。
料金が払えないのではなく施設に預けるのが不安、それだけだ。
看取ってから三年、そろそろ八十歳になると思う。
今年も年賀状を出したのだが、返事が来ない。「まさか、ボケた?」と思っていたら昨日返事が届いた。
驚いたことに自宅ではなく、別の住所からだった。大手の有料老人ホームのようだ。入居金が七百万から三千万くらいの。
「貴女の介護苦労をみるにつけ、私も一大決心をして転居しました」と
ある。「今はまだ自立してます」と付け加えてあった。
この人が老人ホームへ転居するとは思わなかった。
身体が不自由になったわけでも、認知症になったわけでもなく、息子夫婦と同居していて「一人暮らしの不安」もないのに。
あれだけ「ほったらかしの施設はかわいそう」と言って、施設を嫌っていた人が。
自分が在宅介護で苦労したからこそ、同じ苦労を子や孫にさせたくないと思うようになる。その気持ちからの施設入居だろう。
こういう親を持った人は幸せだ。
<That's Ninchi Show 2 No.1084 >