これも認知症なんだ<That's Ninchi Show 2>

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認知症なら冬でも「脱水」はある。。

認知症の人は夏だけでなく「冬でも」脱水に注意すべきだ。

認知症の人が「ぼーっと」していると、「認知症が進んだ」とか、認知症によるストレスで「老人性うつ」になったか、などと思うものだ。

脳障害のある人は精神病を併発しやすいらしい。壊れた脳でもって生きていくことは大変苦しいもので、ストレスの連続だから。

以前、うちのおばあちゃん(85歳)が「ぼーっと」していた時も、同じように思った。認知症が進んだか、「うつ」だろうかと。

12月初めの頃だ。要介護2、まだ歩けるし、食事も「自立」で、よくしゃべっていたが、突然しゃべらなくなったので気にはなった。

そのままにしてたら、何日かして「何も食べられない。水さえ飲めない」ようになり、脳梗塞の再発で入院という結果となった。

ぼーっとしていたのは血流が悪かったからで、それにより血管が詰まったようだ。血流悪化の原因は「脱水」ではないだろうか。

冬になって室内も乾燥しているが「脱水」になるとは思わなかった。

手の届くところに飲料水のボトルを置いてあり、ミニキッチンの電気ポットは満杯にしてあるから、いつでも飲める。

「手足が動くから、のどが渇いたら飲むはずだ」と思っていたのが誤りだった。あたり前のことができないのが、認知症だ。

普通の人の「あたり前」は認知症の人には通用しない。

認知症の人には空腹感も満腹感もないことがあり、それで際限なく食べまくったり、何日も食べないでも平気だったりするらしい。

同じように、脳の「のどの渇き」を感じる部分が壊れていると、身体の脱水が進んでいても水分をとろうという気にならず、飲まない。

脱水が進むと、脳への血流が減り「せん妄」という状態になるという。

ぼおーっとした状態で、わけのわからないことを話す。「妄」という字から、「妄想」と混同することが多いが全く別のものだ。

脳波が見えればわかるのだが、「妄想」は脳が活発に動いている時に起こるもので、脳への血流も存続している。

これとは逆に、脱水による「せん妄」は脳が働いていない。

夕方から夜、「何か元気がない。様子がいつもと違う」という時は、脳の働きが悪化しているのかもしれない。

水分摂取が不足していると、夕方頃に「脱水症状」が顕著になってくるらしい。救急車の出動もその頃が一番多いそうだ。

「夜間せん妄」とか「夕方症候群」とか言われているらしい。

認知症の人には「のどが渇いたら飲むはず」ではなく、家族など介護する側の人が水分摂取管理を怠らないことが必要だろう。

冬でも脱水はある。認知症の人は「のどが渇かない」ことがある。
認知症が進んだと決めつけず、脱水症状を疑うべきだ。

苦い経験から学んだことだ。

             <That's Ninchi Show 2 No.1066>