認知症家族のイライラ、外部記憶で。。。
認知症の人の家族のイライラはどうすればいいのだろう?
答えは「イライラしないこと」しかない。
それでは全然答えになってないから、解決法を示すべきだと思う。
認知症の人と一緒にいるだけで誰でもイライラする。
だから解決法は距離を置くこと、離れることだ。
自宅での家族による在宅介護では「離れる」ことは不可能だ。
そこで手詰まりになる。解決方法はない。
デイサービスに行ったり施設入居ができたら離れることが可能だ。
それまでのイライラをどうしたらいいのだろう。
家族のイライラは本人の認知症を悪化させることが多い。
そうなるとイライラする状況が増大し、もっとイライラすることに。
家族のイライラ → 本人への叱責、暗い顔 → 本人のストレス増加、脳細胞の自滅 → 認知症の悪化 → 介護ストレスの増加
こういう悪循環を繰り返していると、在宅介護は破綻する。
介護放棄、虐待、介護殺人、自殺という悲劇に至ることもある。
物理的に離れることが不可能なら、心理的に離れてみるのは?
親が認知症になった時、薬を飲み忘れるので「お薬カレンダー」を買って、「順番通りにポケットから薬をとって飲んでね」と頼んだ。
ところが一度としてきちんと飲んでいた日はなかった。
「今日もできていない。あんなに丁寧に説明したのに」と腹の立つ毎日だった。今から思えば腹を立てるほうがおかしいのだが。
認知症の人が「言われたことを覚えている」はずがない。
それなのに、できなくて当然のことを「言うことを聞いてくれない」と不満に思い、できてないことにイライラしていた。
「認知症の人は一人では何もまともにはできない」とわかったのはずっと後だ。わかっていたら、あんなにイライラしなかったのに。
記憶障害によって「一人ではまともにできない」状況だが、家族が「外部記憶装置」となって支えれば、かなりのことができる。
たとえば壊れたパソコンに、記憶装置を外付けするように。
家族は「外部記憶装置」の役割に徹すればいい。何回も同じ質問をされても嫌な顔をせずに答えるのも、その役目の一つだ。
お薬カレンダーのポケットをまちがえていたら、「それは昼、今は朝の分をとってね」と声をかければ、まちがいなく薬も飲める。
家族がいつも側にいて声をかけることで、それにより本人のできることが増えれば、介護もラクになり、介護ストレスは減る。
このような好循環のサイクルになれば、在宅介護も短期間なら持続できるだろう。上手に在宅介護できている人だっているから。
何よりも悪循環から抜けることが第一だと思う。
<That's Ninchi Show 2 No.1065>