これも認知症なんだ<That's Ninchi Show 2>

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認知症家族のイライラ、外部記憶で。。。

認知症の人の家族のイライラはどうすればいいのだろう?

答えは「イライラしないこと」しかない。
それでは全然答えになってないから、解決法を示すべきだと思う。

認知症の人と一緒にいるだけで誰でもイライラする。
だから解決法は距離を置くこと、離れることだ。

自宅での家族による在宅介護では「離れる」ことは不可能だ。

そこで手詰まりになる。解決方法はない。
デイサービスに行ったり施設入居ができたら離れることが可能だ。

それまでのイライラをどうしたらいいのだろう。

家族のイライラは本人の認知症を悪化させることが多い。
そうなるとイライラする状況が増大し、もっとイライラすることに。

家族のイライラ → 本人への叱責、暗い顔 → 本人のストレス増加、脳細胞の自滅 → 認知症の悪化 → 介護ストレスの増加

こういう悪循環を繰り返していると、在宅介護は破綻する。
介護放棄、虐待、介護殺人、自殺という悲劇に至ることもある。

物理的に離れることが不可能なら、心理的に離れてみるのは?

親が認知症になった時、薬を飲み忘れるので「お薬カレンダー」を買って、「順番通りにポケットから薬をとって飲んでね」と頼んだ。

ところが一度としてきちんと飲んでいた日はなかった。

「今日もできていない。あんなに丁寧に説明したのに」と腹の立つ毎日だった。今から思えば腹を立てるほうがおかしいのだが。

認知症の人が「言われたことを覚えている」はずがない。

それなのに、できなくて当然のことを「言うことを聞いてくれない」と不満に思い、できてないことにイライラしていた。

認知症の人は一人では何もまともにはできない」とわかったのはずっと後だ。わかっていたら、あんなにイライラしなかったのに。

認知症の人を客観的に「他人の目で、少し離れた高所から見る」ようにすれば、心理的に離れることができるかもしれない。

記憶障害によって「一人ではまともにできない」状況だが、家族が「外部記憶装置」となって支えれば、かなりのことができる。

たとえば壊れたパソコンに、記憶装置を外付けするように。

家族は「外部記憶装置」の役割に徹すればいい。何回も同じ質問をされても嫌な顔をせずに答えるのも、その役目の一つだ。

お薬カレンダーのポケットをまちがえていたら、「それは昼、今は朝の分をとってね」と声をかければ、まちがいなく薬も飲める。

家族がいつも側にいて声をかけることで、それにより本人のできることが増えれば、介護もラクになり、介護ストレスは減る。

このような好循環のサイクルになれば、在宅介護も短期間なら持続できるだろう。上手に在宅介護できている人だっているから。

何よりも悪循環から抜けることが第一だと思う。


             <That's Ninchi Show 2 No.1065>