これも認知症なんだ<That's Ninchi Show 2>

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認知症の人と家族が孤立しないためには。。。

認知症の介護は毎日が非常時、非常事態だ。

皮肉な言い方をするなら、「退屈な日常に飽き飽きしたら、認知症の世界にどうぞ」というくらい「非日常」にあふれている。

そこに「いつもと同じ、何もかわらない普通の一日」はない。

次はどうなるか全く予測のつかない、ハラハラドキドキの「非常時」で、常に身構えていないと、危険だ。

緊張の連続で、心の休まることはない。ストレスはたっぷり。

戦争中はこうだったのだろうと思う。あの神戸の大地震の日もそんなことを思ったものだ。

水や電気、電話連絡など「日常あたり前だったことが消えた日」で、壊れた家を出て「どこへ行けば安全なのだろう」と悩んだ。

自分の足で行ける範囲には「安全な所」がなさそうだから。

とりあえず持って行く荷物をまとめていると、近くに住む親戚の人が「だいじょうぶ?」と様子を見に来てくれた。有難かった。

その日、「電気が通っている」親戚の家に泊めてもらえた。

認知症の介護も「ストレスの大きさ」「緊張の持続」「不安感」を言えば災害時に匹敵するような「非常事態」だと思う。

だが、世間での認識は違うようだ。

親戚の人が毎日「だいじょうぶ?」と心配して声をかけてくれてもいいのだが、毎日が「非常時」なので。

親が認知症になってから、親戚の人の訪問は年に一回か二回だが、
うちの親戚が特別冷たい人々ということでもないだろう。

「かかわりたくない」のか「息子や娘がいるから、だいじょうぶ」だと思っているのか、「本人のプライドを思いやって」だろうか。

毎日が「非常時」だということを知っていたら、心ある人は無視できないと思う。冷たいのではなく、知らないから何もしないわけだ。

「全然だいじょうぶじゃない」と訴えて、周囲の人々に苦しい状況をわかってもらうことが第一に必要なのかもしれない。

             <That's Ninchi Show 2 No.1064>