これも認知症なんだ<That's Ninchi Show 2>

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介護を苦に、周囲の人の支えは。。。

またも「介護を苦に」という悲劇が報道されている。

十年も介護してきた娘が、認知症の母の「介護を苦に」、父もろともに一家心中を図ったという。

これを聞いて世間の人の多くは「なぜ、そこまで」とか「他に方法はなかったのか」などと疑問に思うだろう。

また、親戚や近所の友人など「周囲の人」は何をしていたのだろうと思うし、なぜ周囲の人に助けを求めなかったのだろうとも思う。

世間はよく知らないから。認知症の人と家族は社会から孤立しがちで、「孤立無援」といった状況になりやすいということを。

一人暮らしの老人なら気遣ってもらえても、娘がいると違う。周囲の人は「娘さんがいるから、だいじょうぶ」と思って何もしない。

少人数の家族だけで認知症の人を支えられるはずはないのだが。

認知症の介護は誰にでもできるものではない。数ヶ月でも耐えられないものなのに、十年もの長期間よくガマンしてきたと思う。

長年積み重なった介護ストレスによって「介護うつ」になっていたのだろうか。十年という長さだから。

政府は「周囲の人の支援で、認知症の人も従来のように暮らしていける社会」をめざしているが、現実はどうだろう。

その理想にはほど遠い。ほとんど可能性がないようにも思える。

             <That's Ninchi Show 2 No.1060 >

参考:事件の概要 NHKニュースWEB

22日、埼玉県の利根川で74歳と81歳の夫婦が川の中で死亡しているのが見つかり、警察は、47歳の三女が認知症の母親の介護を苦に無理心中を図ったとして殺人と自殺ほう助の疑いで逮捕しました。
22日午前9時すぎ、埼玉県熊谷市間々田の利根川で、埼玉県深谷市の藤田ヨキさん(81)が川の中で死亡しているのが見つかり、午前11時前にはおよそ300メートル上流で74歳の夫が死亡しているのが見つかりました。
さらに、藤田さんの近くで47歳の三女も見つかり、三女は低体温症で病院に運ばれましたが、命に別状はないということです。
警察の調べによりますと、三女は両親と3人で暮らしていて、「認知症の母親の介護に疲れた。父親が死にたいと話し、3人で車に乗って川に入ったが、車が水の中で止まったので両親を外に出した」と話しているということです。
車は母親が見つかった場所からおよそ2キロ上流の川の中で見つかり、警察は、三女で埼玉県深谷市の無職、波方敦子容疑者(47)が、介護を苦に無理心中を図り、母親を溺れさせたうえ、父親の自殺を手助けしたとして、殺人と自殺ほう助の疑いで逮捕しました。
警察によりますと、母親は10年ほど前に認知症になり、家族は父親の新聞配達で収入を得ていましたが、父親は最近になって体調を崩し、仕事を辞めたということです。警察は詳しいいきさつを調べています。