これも認知症なんだ<That's Ninchi Show 2>

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認知症は個人差が激しいから。。。

認知症でも一人暮らしできる人がいる。

しかし、誰もが皆一人暮らしできるとは言えない。ほとんどの人は一人暮らしはできないだろう。うちの親たちのように。

お鍋を焦がして危うく火事になりかけたり、一人暮らしの不安から被害妄想が生じて警察や消防に通報したり、近所迷惑の元になっていた。

認知症ほど個人差の激しいものはない。百人いれば百通り、進行速度も症状の強弱も、個人個人みんな違う。

だから、同じ認知症患者といっても「できない人」と「できる人」がいるのはもっともだ。

先日「認知症の私からあなたへ」というテレビの特集があった。食器を洗いながら背中で聞いていたのだが、実に驚くような内容だった。

51歳でアルツハイマーと診断された佐藤さんを取材したものだが、佐藤さんは発症後も何年も一人暮らししてきたという。つい最近まで。

料理ができなくなって今はケアハウスに入居しているそうだが、発症後十年もたった今でも料理以外は「自立」というのが、また驚きだ。

うちの親は発症後五年程度で寝たきりになったが、どう違うのだろう。

発症年齢が違う。また、認知症だという自覚がない。うちの親は自分が認知症だとは思っていない。発症当時に本人に知らせなかったので。

性格も違う。覚悟や意志の強さ、これが大きな要素かもしれない。

佐藤さんは「失敗したことをメモし、その対策法も記録して、次に備える」という方法で記憶障害を乗り越えて暮らしてきたそうだ。

診察券がなくなった時は、パソコンや携帯のメモを呼び出すと「財布の中を見る」と書いてあり、むやみやたらと探すことはないそうだ。

うちの親はというと、まるで違う。記憶があやふやなので失敗が多いというのは共通するが、そのあとが。

たとえば、財布がどこにいったかわからない時だが、「誰かが持って行った」と言う。自分がしまいこんで、しまった場所を忘れていても。

自分の失敗は全て家族やヘルパーさんのせいにする。「対策」はない。

これでは一人暮らしできるはずがない。だが、そこまでになる前に認知症だということを自覚していたら、結果は違っていたのだろうか。

今となってはどうしようもないが、早期発見と本人の自覚、この二つが症状の進行を抑えるのには不可欠な要素だったのかもしれない。

            <That's Ninchi Show 2 No.1059 >