認知症、何もかもわからない状態は。。。
「何もかもわからない」というわけではない。
だが、理解の程度はというと「まだまだ」で、大きな誤解をしている人もいる。一般の人だけでなく医師など医療関係者も含めて。
認知症だというと、すぐにでも「何もかもわからない」状態になると思ったり、もしくは重度になると何もわかってないとみなしたり。
認知症の人に話しかけて何の返答もないことはよくある。だからといって、本人がわかってない(もしくは言葉を忘れた)とは言えない。
わかっていても言葉として出てこないこともあるし、返答を考えているうちにその内容を忘れてしまって、結果として返事しないこともある。
うちのおばあちゃん(84歳、胃ろうで寝たきり)だって、「何もかもわからない」状態ではない。語彙は少ないが、話すことはできる。
家族の名前は忘れても、施設のスタッフの人に「さっき息子が来たよ」と言っているから、わが子の顔は忘れてないようだ。
実を言うと、うちの家族も当初は認知症について大きな誤解をしていた。記憶障害が進むと、何もかもわからなくなると思っていた。
本人が施設入所を嫌がるので、「そのうち何もかもわからなくなるから、その時まで待とう」と。そうなればラクに入所してもらえると。
待ってなくてよかった。待っていたら何年も入所できない。寝たきりの今だって「何もかもわからない状態」ではないのだから。
認知症だからといって、すぐに何もかもわからなくなることはない。
これまでの人生の記憶が消滅する(ゼロになる)わけでもない。
保存してある記憶を呼び出すことができないだけだ。偶然、たまに神経回路が元のようにつながって、思い出すこともある。
ただ、反応が普通ではないので「何もわかってない」ように見える、それだけなのだが。そこを理解してあげることが必要だろう。
<That's Ninchi Show 2 No.1058 >