認知症家族ケアラーの心のケアは。。。
「ケアラー」の心のケアが必要だ。
介護している人をケアラーと呼ぶらしい。介護職の人だけでなく、自宅で在宅介護している家族もケアラーだ。
「家族だから、他に代わりがないからしかたなく」であっても。
職業として介護を選んだ人とは違って、家族ケアラーは「なりたくてケアラーになった」わけではない。運悪く、というか宿命というか。
多くの場合、自分の意思に反してケアラーを勤めている。家族愛や、義務感で、また社会的な責任を感じて。
「自分の意思に反して」ということが、まずストレスになっている。
そしてまた多くの場合、自分がそういう立場になるという準備の全くないままに、突然「介護の現場」に引き込まれている。
老人介護の基本や認知症への特別な対応法などの「絶対必要な実用的知識」がない状況で、うまく介護できるはずはない。
努力しているのに結果が伴わず、最初からして大きな挫折感と無力感を味わう。早く何とかしなければならないという焦燥感もある。
「何をしてもうまくいかない。思い通りにならない」という状況が続いて、それでもストレスを感じずに平常心でいられるだろうか?
そんなこんなで停滞しているうちに、本人の症状は悪化してくる。今後どうすればいいのかわからず、毎日が不安だ。
「毎日が不安」という、途切れることのないストレス状態の連続、それに耐えることが家族ケアラーに要求されている。
耐えられないものなのに。よほど精神力の強い人でないと。
そういう状況でも、介護の悩みやグチを聞いてくれる人がいると違うらしい。結果として何の解決法も与えられなかったとしても。
心の悩みを全部吐き出すことによって、ストレス解消になるそうだ。
家族ケアラーの悩みを聞いてくれるところがあればいい。地域包括センターはそこまでの仕事は無理だと思うので、何か別に。
わが家の場合はそうだった。入所相談で思いっきり「こんなことで困っている。またこんなことも」とグチを聞いてもらったから。
言えばなぜかすっきりしたものだ。「認知症の人はそういうことはよくあります」とだけで、何の解決法も教えてくれなかったが。
忙しいのによく付き合ってくれたと思っている。
<That's NInchi Show 2 No.1057>