これも認知症なんだ<That's Ninchi Show 2>

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老人施設の派遣の看護師さん。。

「派遣」という働き方が増えている。

企業にとっては人件費の節約になり、人材にかける固定費を減らした分だけ増収がみこめるし、それを新規事業費にあてることもできる。

派遣社員は正社員と同じ仕事を安く提供してくれ、契約期間は短く企業の都合で正社員よりも容易にクビにできる。増えるはずだ。

派遣の看護師さんもいる。去年まで知らなかったのだが。

うちのおばあちゃん(84歳、胃ろうで寝たきり)が去年入所した施設(一般老人ホーム)では「土日・祝日などが派遣」だそうだ。

それを聞いて、「土曜日の人」「日曜日の人」または「土・日・祝日の人」というように契約しているのかと思っていた。

ところが、毎週日曜日に面会に行って、毎回看護師さんの顔が違う。

「トシのせいでいよいよ顔が覚えられなくなった」かもしれないと、その看護師さんに話を聞いてみると、やはり違う人だった。

派遣会社に登録していて、そこの指示で「何月何日には○○病院に」と指定されるから、毎週うちの施設に来るわけではないそうだ。

派遣される施設や病院すら固定していないらしい。

看護師という専門職でも、まるで仕事先の定まらない日雇い工事作業員(日雇い人夫)のような働き方をしているとは知らなかった。

この人が次にうちの施設に派遣されて来るのは来月か、さ来月か、それもわからないらしい。「今月の予定」にはないそうだ。

うちのおばあちゃんの健康状態をたずねても答えられないはずだ。「今日の様子」はわかっても、「昨日の状態」は知らないのだから。

「土曜の人」は今日は出勤していないから、引継ぎもしてないだろう。

施設の案内に「看護師常駐」と書かれていても、それで「いつも健康状態を把握してもらえて安心」と思ってはいけないようだ。

「看護師常駐」が示すのは「看護師の資格を持つ人が毎日施設内にいる」というだけで、それ以上でもそれ以下でもない。

資格を持つ人の人数だけでは「安心」にはつながらない。

介護も医療も「人件費の抑制」が他の業種以上に求められている。
そういう現状は理解できるが、これでいいのだろうか。

介護も看護も「人と人との絆」があってこそだと思う。派遣という形態では「点」でしかなく、「線」にならず「つながり」にはならない。

コストという目に見える数字ばかりを重視し、そこには現れない「目に見えない」効果を無視した企業経営者が多いように思う。

日本全体に言えることだが、コスト削減や効率重視に傾き過ぎでは?

介護も医療もサービス業だが、サービスを単純に「労働コスト×時間」という数値でしか考えられない人がいるようだ。

数値にならないところに「サービスの質」があり、それが安心と信頼につながると思う。そう思わないのだろうか?

              <That's Ninchi Show 2 No.1042 >