認知症、付き添いなしでは入院できない。。。
認知症だと入院できない、そういう時もあった。
うちのおばあちゃん(84歳、胃ろうで寝たきり)が認知症を発症した頃、2008年だが、総合病院の精神科の医師に次のように言われた。
「認知症の場合、家族が24時間付き添いできるなら入院可能ですが、
それ以外は入院できません。」
理由は、誰かが見ていないと何をするかわからないからだ。
突然の発症で今後の介護プランも何も、めどが立っておらず、初めての異常事態におろおろし、家族で話し合う余裕すらなかった。
そこで「これからのこと、具体的な介護方法」を決めるまでの時間稼ぎに「認知症の検査入院を」と医師に依頼したわけだ。
一週間でも入院してくれていたら、家族会議もできるし、介護職の人に相談したり、介護施設に見学に行ったりできる。
入院できたらよかったのだが、少人数の家族では付き添いは不可能だし、付き添いしてくれるヘルパーさんを雇うだけのお金もない。
こうして入院できなかったことで、内心「差別だ」という思いも少しはあった。今ではその先生の言うことはもっともだと思う。
治療や検査が終わったら「ほったらかし」で、見守りはない。家族が24時間付き添うしか方法がないわけだ。
もし付き添いがなかったら、病院は対応に困る。対応できるスタッフがいないから、身体拘束をするか、鎮静剤で眠らせてしまうだろう。
その一年後、脳梗塞が再発して中規模の総合病院に緊急入院した。
この時は命にかかわる状態だったので、「認知症だから入院できない」とは言われなかった。
手足が動かないというような後遺症もなく、十日ほどの入院で退院できたのは幸いだったが、歩行困難と「床ずれ」というお土産ができた。
わずか十日の寝たきりで「床ずれ」とは、考えられない。寝かせっぱなしで、体位を換えてくれなかったのだろうか。
病院は「ほったらかし」だから。だからこそ、「家族が24時間付き添うように」という条件があったのだろう。そういうわけだと納得した。
病院は認知症に対応できていない。
家族が24時間付き添うならいいが、そうでないなら「ほったらかし」と
「身体拘束」と「薬漬け」になる。
老人虐待と同じだが、「医療上の必要」なら虐待ではないらしい。
<That's Ninchi Show 2 No.1024>