これも認知症なんだ<That's Ninchi Show 2>

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医師にとって認知症患者は。。。

認知症患者は「医療」の対象ではないのだろうか。

多くの医師、医療機関のほとんどは「認知症を発症したら、治療できないし、リハビリも困難」という立場をとっているように思う。

認知症は治らないのは自明のことで、認知症の治療は誰も期待してはいないだろう。「進行を遅らせる」ための治療は期待していても。

ただ、他の病気については治療してもらえると世間一般は思っているはずだ。生活習慣病感染症、老人だから持病もいくつかはある。

ここに世間一般と医療関係者との間の考え方の大きなズレがある。

他の病気の治療やリハビリも、認知症を発症したら難しい(効果が期待できない)ので、医師からしたら医療の対象にはなりにくい。

医師は認知症を発症した人を「医療の対象外」だとみなしているようだが、それをはっきりと言う人はいない。言えば問題になるだろう。

認知症の人だって人間だ。宇宙人ではない。

治療や検査が難しいとか、医療報酬にならないとか、健康保険の点数の対象外だとかで、差別されて「除外されて」いいはずはない。

医師から見ると、認知症患者は「別もの」つまり宇宙人と同じだろう。

認知症は治らない」し、「認知症患者は医師の言うことをきかない」し、「点滴を抜く」し、「検査中じっとしていられない」からだ。

薬が効かないから薬物療法はできず、医師の言うことを守らないから指導もできず、動き回るから「MRI」などの検査もできない。

認知症患者には医師は無力だ。医学の知識や技術では何もできない。

治療や検査ができないから「医療報酬はゼロ」なのに、入院中には夜中に大声を出して他の患者の睡眠を妨げる。

睡眠薬を飲ませても効かない。脳が壊れているから。普通の脳なら薬の作用で眠気が起きるが、そこが壊れているから。

病院側にすれば、迷惑なだけの存在だ。さっさと退院させて介護施設に行ってもらおうとする、そういう病院側の気持ちもわかる。

たとえ治療薬をいくら投与してみても、それに見合っただけの効果が期待できないので健康保険の対象にもならない、それもわかる。

認知症では薬が作用するはずの部分(脳の特定部位)に障害があるので、効果は出にくい。(人によっては効果が出ることもある。)

効果がないので、薬を増量すると、肝心な効果(たとえば催眠)は出ないまま、副作用(肝臓・胃腸障害など)だけが大きく出てくる。

そういう理由から「認知症の人には薬物療法はできない」となり、「認知症では治療できない」という常識が成立したのだろう。

認知症だから治療できない」人は、「終末期」とみなされる。医療は無力だから、退院して訪問介護を受けながら「その日」を待つ。

うちのおばあちゃん(84歳、胃ろうで寝たきり)は二年前の脳梗塞発作(再発)以来、長い長い「終末期」となっている。

認知症の発症前の発作では、すぐにリハビリが始まったが、今回はリハビリしてもらえないし、再発予防の治療薬の投与もない。

認知症では治療やリハビリの効果が期待できないから、だそうだ。

うちのおばあちゃんの脳について「ここが壊れているから、こういう症状が出ています」と説明してくれた医師は一人もいない。

誰もわかっていないのに、皆「認知症だから治療できない」と言う。

脳のどこがどう壊れているかも明確ではないのに、なぜそう言い切れるのだろう。なかには治療やリハビリの効果のある人もいるだろうに。

わからないことには手を出さない、そういうことだろうか。

            <That's Ninchi Show  2  No.1020 >