認知症700万人、病院が「認知症にしない」なら。。。
2025年、認知症患者が700万人だそうだ。
これにMCI (認知症予備軍)の人数を加えると、1300万人、65歳以上の老人の三人に一人だという。どうなることやらと思う。
先日、認知症の老人が運転する車が踏み切りから進入し、電車の線路の上を走らせ、次の踏み切りでやっと線路から出て行ったことがあった。
幸い事故にならずにすんだが、これを見ていた駅の人々はさぞ驚いたことだろう。駅員だって、全く想定外の光景だったに違いない。
駅員の危機対応マニュアルにそんなあり得ないことは書かれてないだろう。なぜなら、前例のないことはマニュアルには含まれないから。
何をするのかわからないのが認知症だ。その行動にはルールがない。命を守る、生き残るという最低限のルールすらないと言える。
生き物なら、「生きていく」ことをめざすもので、生存本能に反するような行動はあり得ないのだが、認知症となると違う。
誰かが側で見ていてあげないと生きてはいかれない。24時間の見守りが生きる上では必須条件になる。
700万人の認知症患者が生きていくには、700万人以上の人々の見守りが必要だ。一人で24時間は無理だから、二倍三倍の人数になる。
労働人口が減少していく中で、それだけの人的余裕があるだろうか。
今でさえ、介護職の不足は深刻だ。誰もがみな、充分な介護が受けられているとは言えない。
「認知症にならない」ことに重点を置くしかないだろう。
啓蒙活動によって認知症予防という意識は広く国民に浸透しつつあるが、それだけでは足りない。個人の努力だけでは予防は難しい。
そんな苦境に身をおきたくないから、多くの人は予防に努めるはずだ。
あとは医療側の努力による。こちらのほうが難しいかもしれない。
医療は「治療し延命する」ことが目的で、生きていれば認知症になっていようが寝たきりだろうが関係ない、そういう医療制度だから。
< THAT'S NINCHI SHOW 2 NO.1014 >