寝たきりにしないために、胃ろうを。。。
寝たきりにしないために、胃ろうを付けるという手もある。
「胃ろう」や「寝たきり」にならずに退院させてほしいが、そういう方法はないのだろうか。
前にも述べたように、「認知症ではリハビリできない」という医療側の考えがあるから、「胃ろうを付けない」という選択は大変難しい。
そこは譲るとして、せめて「寝たきりにしない」で退院できるようになったら少しはマシだろう。本人の生活の質は格段にアップする。
うちの親のように「胃ろうで寝たきり」では「ほぼ植物状態」にまで生活の質は低下し、人として生きているとは厳密には言えないだろう。
認知症の人は点滴の管を抜くことが多いが、鼻のチューブはもっと煩わしく不快なものだから、多くの場合嫌がって抜いてしまうだろう。
数日程度の絶食なら普通の点滴だが、長期になるとカテーテル経由の24時間の高濃度栄養液の点滴(中心静脈栄養)でないと栄養不足になる。
この24時間の点滴というのが「寝たきりをつくる」と言ってもいい。
感染症が治癒し、中心静脈栄養で栄養状態が回復して、手足を動かしてベッドから起き上がれるのだったら、寝たきりにはならないのだが。
身体の内部の太い血管(中心静脈)まで長いカテーテルが通っているわけで、そんな状態で安易に動かすと危険で、とてもリハビリは無理だ。
それまで歩いていた老人でも、中心静脈栄養でつながれ、ベッドから一ヶ月も離れずにいたら、二度と立ち上がることはできないだろう。
老人には早期離床、早期リハビリが必要だ。
そのためには、栄養点滴ではなく「早期の胃ろう手術、早期離床、早期退院、早期リハビリ」という道もあるのでは。
胃ろうは手術後一週間で退院可能だ。リハビリをしてくれない一般病院はさっさと退院して、リハビリ病院や介護施設に移ればいい。
リハビリの効果があって状態が良くなったら、専門の歯科医に依頼して嚥下訓練をして「胃ろう撤去」することも可能だろう。
生活の質(QOL)という言葉はあっても、「延命が全て、そのあとの生活は・・」という一般病院(医療側)がほとんどだ。
「もし自分の親だったら」と考える医師はいないのだろうか。
想像してみてほしい。「認知症で、胃ろうで、寝たきり」で、食べることも、立ち上がることも、寝返りもできない老人の姿を。
「生きていても何も楽しいことがない」と親に言われる家族のことを。
<That's Ninchi Show 2 No.1005 >