これも認知症なんだ<That's Ninchi Show 2>

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寝たきりにしないために、胃ろうを。。。

寝たきりにしないために、胃ろうを付けるという手もある。

うちのおばあちゃん(84歳、胃ろうで寝たきり)のように、脳梗塞感染症を患って入院が長引いて「寝たきり」になる例は多い。

「胃ろう」や「寝たきり」にならずに退院させてほしいが、そういう方法はないのだろうか。

前にも述べたように、「認知症ではリハビリできない」という医療側の考えがあるから、「胃ろうを付けない」という選択は大変難しい。

そこは譲るとして、せめて「寝たきりにしない」で退院できるようになったら少しはマシだろう。本人の生活の質は格段にアップする。

うちの親のように「胃ろうで寝たきり」では「ほぼ植物状態」にまで生活の質は低下し、人として生きているとは厳密には言えないだろう。

医師が胃ろうを勧める理由の一つは、「認知症だからリハビリ不能」ということで、病院側にはリハビリという選択肢はないようだ。

認知症の老人が感染症などで衰弱し、食事がとれなくなると栄養点滴になる。経鼻管栄養(鼻チューブ)でもいいのだが、難しい。

認知症の人は点滴の管を抜くことが多いが、鼻のチューブはもっと煩わしく不快なものだから、多くの場合嫌がって抜いてしまうだろう。

数日程度の絶食なら普通の点滴だが、長期になるとカテーテル経由の24時間の高濃度栄養液の点滴(中心静脈栄養)でないと栄養不足になる。

この24時間の点滴というのが「寝たきりをつくる」と言ってもいい。

感染症が治癒し、中心静脈栄養で栄養状態が回復して、手足を動かしてベッドから起き上がれるのだったら、寝たきりにはならないのだが。

身体の内部の太い血管(中心静脈)まで長いカテーテルが通っているわけで、そんな状態で安易に動かすと危険で、とてもリハビリは無理だ。

それまで歩いていた老人でも、中心静脈栄養でつながれ、ベッドから一ヶ月も離れずにいたら、二度と立ち上がることはできないだろう。

老人には早期離床、早期リハビリが必要だ。

そのためには、栄養点滴ではなく「早期の胃ろう手術、早期離床、早期退院、早期リハビリ」という道もあるのでは。

胃ろうは手術後一週間で退院可能だ。リハビリをしてくれない一般病院はさっさと退院して、リハビリ病院や介護施設に移ればいい。

リハビリの効果があって状態が良くなったら、専門の歯科医に依頼して嚥下訓練をして「胃ろう撤去」することも可能だろう。

生活の質(QOL)という言葉はあっても、「延命が全て、そのあとの生活は・・」という一般病院(医療側)がほとんどだ。

「もし自分の親だったら」と考える医師はいないのだろうか。

想像してみてほしい。「認知症で、胃ろうで、寝たきり」で、食べることも、立ち上がることも、寝返りもできない老人の姿を。

「生きていても何も楽しいことがない」と親に言われる家族のことを。


              <That's Ninchi Show 2  No.1005 >