これも認知症なんだ<That's Ninchi Show 2>

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認知症は治療できるのだろうか。。。。。

「いい先生で、よくなった例」だけを見せるのはどうかと思う。

きのう夕食を作りながらテレビを見ていたら、また認知症関係の特集があり「認知症の人を介護する家族の苦しみ」に焦点をおいて、実例を紹介していた。

家族を苦しめるのは、記憶や判断能力が低下する「中核症状」ではなく、徘徊や暴力暴言といった「周辺症状」だから、それを緩和することが第一だ。

その方向で多くの患者とその家族を救ってきたという医師(河野先生)がいるという。その診療所は二か月先まで予約がいっぱいだそうだ。

テレビカメラは、この先生に診てもらってから「怒った顔ばかりだったのに、今では笑顔になった」という患者の笑顔を映す。

頭のおかしな人とは思えない、普通の穏やかな老人の笑顔だった。

認知症は治療できない」と思って、苦しみに耐えている家族にとっては希望を与える報道なのかもしれない。テレビ局の目的(ねらい)はそうだろう。

しかし、報道と言うものは真実をありのままに伝えるのが本来のあり方だ。真実の一部だけでなく、全てを、現実をそのままに伝えるべきだと思う。

ほんのわずかな「よくなった例」と、探しても数少なくて近くにはいないし、診療予約もとりにくいような「頼りになる専門医」を紹介するだけではいけない。

ほんとうに認知症のわかっている医師が全国にどれだけいるのだろう。

何を聞いても「わかりません」と言うような、ほとんど頼りにならない先生を「頼りにするしかない」という例が、どれだけあるだろうか。

河野先生の治療法(コウノメソッド)と、それを実践する医師が全国に何十人かいることを番組中で伝えていたのは意義があるだろう。

だが、コウノメソッドでもよくならなかったという例はないのだろうか。

かたよった報道は多くの人に誤解を与える。「治療できる」という思い込みが刷り込まれる。できる例とできない例があることを伝えるべきだろう。

周辺症状を緩和するためには、抑制系の精神科薬を使う。その薬が効かない例もあれば、薬によってもっと悪化した例もあるはずだ。

報道のあり方を見直すべきだと思う。

(参考:河野先生の診療所は  http://www.forest-cl.jp/  )
          



                <That’s Ninchi Show 2 No.1002 >