認知症介護、表に出ない多くの声を。。。。。

声をあげない人がみんな満足しているわけではない。

介護施設の多くは「サービス向上のために、家族の意見を」期待していると思うが、介護施設に身内をあずけている家族が「それなら」と意見を言うだろうか。

気になることがあっても、少々のことなら言わないでおく。身内を人質にとられているようなものだから、ガマンする。そういう人も多いと思う。

もちろん「クレーマー」は別だ。自分のたまりにたまった介護ストレスを、施設や介護事業者に文句を言うことで解消しようとする人は必ずいる。

普通の人は何も言わないでガマンするか、別の施設に移るかだ。介護が何年にもなると、施設への不満が相当たまっていることだろう。

そういう表に出ない意見をすくいあげれば、問題点がわかり改善につながるのだが、「はっきり言わないのが美徳」の日本社会では難しい。

多くの人が意見を言わないのに自分一人が言っても、何の効果もないかもしれない。少数意見として施設側がそれを無視するとしたら。

どうせ何も変わらないのだったら、角の立つことは言わないでおくほうがいいし、言ったとしても改善が期待できるとは思えない。

期待できない理由は、介護の人材不足、離職率の高さだ。

人手不足の介護業界に「ハイレベル」を求めても無理だろう。就職難で介護に適さない人も介護職についている。少々のことはガマンするしかない。

猫の手も借りたい状況だったら、どんなレベルでも「猫よりマシ」だ。

ただ施設を利用している本人にとっては、「猫の手」ではあんまりだろう。たった一日でも、人生の最後の最後、残り少ない大事な一日なのだから。

人手不足を解消して、全体の介護の質を高めることが必要だと思う。