老人ホームから電話があると。。。。。
「終末期、施設の電話に身構える」という介護川柳があったが、
ついさっき、おばあちゃん(84歳、胃ろうで寝たきり)の老人ホームの担当者から電話があった。いつものことだが、携帯の発信元表示を見て身構える。
終末期となった今、もうこれ以上悪化することはない。あの世に行くだけだ。というわけで、施設から電話が来るといつも最悪のことを連想してしまう。
おそるおそる電話に出たのだが、用件は「髪が長くなっているので訪問理容を」だったので、何だそんなことかと安心した。料金は2800円だそうだ。
理容師さんや美容師さんが施設まで来てくれ、寝たきりの人は寝たままの状態で散髪(カット)してくれるという制度、ほんとうに有難い。
寝たきりになる前は行きつけの美容室に連れて行ってカットしていた。足の悪い老人を連れて行くのも大変だが、その他にも苦労は多かった。
予約していた日に本人が突然「行きたくない」と言い出すこともあり、「連れて行く」という関門をクリアーするのも「運不運」だった。
何とかなだめて連れて行くことに成功しても、まだ問題はある。
認知症のせいでガマンできないのか、筋力が衰えたせいなのか、美容室の椅子に30分座っていることが難しい。途中で立ち上がって帰ろうとする。
それを押さえつけてもう一度座らせるが、本人の機嫌はどんどん悪くなり、美容師さんの手を払ったり、「この店は・・」と悪口を言いまくったりする。
そんなことが何回もあった。認知症の人は普通ではないから、一事が万事、このようなことになって家族を困らせてくれる。
施設に入居してからは家族の負担は減った。カットも施設スタッフが付き添ってくれるので、おまかせしておけばいい。
ともかく、今回もまた「何だ、そんなことか」の電話でよかった。ここに至っても少しも心の準備ができていないので。
これまで何回も医師に「覚悟してください」と言われ、何回も命拾いしてきた。次もだいじょうぶではと、根拠のない思い込みがあるのかもしれない。