これも認知症なんだ<That's Ninchi Show 2>

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介護職の人の「余裕」が。。。。。

介護職の人は「明るく、楽しく、余裕で」介護している。

ほんとうは余裕がないのかもしれないが、余裕たっぷりに見える。当然と言えば当然だろう。自信なさそうな人には誰も安心してまかせられない。

親が認知症になるまで、全く介護と縁がなかったので介護職の人の明るさと笑顔と「のんびり」には驚いたものだ。少々違和感があった。

「暗く、つらく、せわしく余裕のない」自分と比べて、あまりに違い過ぎるから。

よくこんな暗い状況で、頭のおかしな老人ばかりを相手にして、緊張もせず「ゆったりと」楽しそうに働けるものだと不思議だった。

介護施設の中は時間の流れがとまったような別世界で、老人のペースに合わせて「ゆっくり」動き、世間の流れや「効率」とは無縁、まるっきり違う。

入居相談で「困っていること」を聞かれ、「困っていることだらけ」だったのでつい長々としゃべってしまったのだが、相談員さんは笑顔で話を聞いてくれた。

聞いてくれるのは有難いのだが、こっちは悩んで苦しんでいるのに、「笑顔」はないだろうとも思った。職業的に笑顔が張り付いているのだろうか。

「そういう症状の人は多い」と言われただけで、解決法を教えてくれたわけでもないが、困っていることを話すと気持ちはすっきりするものだ。

だが、入居相談は本来「介護の悩み相談」ではないから、余分なことに時間をとられたら効率は悪いだろう。

さて、入居後も違和感は続く。ケアプランに「リハビリ目標は現状維持」とあり、それがひっかかった。それでは少しもリハビリになってないのでは?

現状より少しでも上をめざすのが普通だろう。老人だからどうでもいいとでも? やる気はあるの? もっと緊張感を持ってほしい・・などが浮かぶ。

ケアマネージャーさんにたずねると「認知症ではそれが精一杯、現状維持すら可能性は低い」という答えだった。現状維持が最高目標だとは、意外だった。

早い遅いという個人差はあるが、みんな必ず「今できることができなくなる」わけで、能力低下は避けられない。現状維持できていれば喜ぶべきことらしい。

今の状態をいつまで保てるか、何週間か何ヶ月か、それもわからないから。

この一件を初めとしていくつも違和感を持つことに出会い、「認知症介護の常識は世間の常識とは違うことがある」と気が付いた。考え方を変えねばならない。

頭を切り替えて適切に対処できる人は「介護にむいている」人で、「明るく、楽しく、余裕で」介護できる人だろう。

どうしたらそうなれるのだろうか? 生まれながらの適性があるように思う。