これも認知症なんだ<That's Ninchi Show 2>

FC2ブログに引っ越しました。週一回か二回は更新しています。

認知症の介護は「演技力」で。。。。。

「できる人」と「できない人」の違いを考えてみた。

認知症の介護は誰にでもできるものではない。だが、実際に上手に介護できている人はたくさんいる。多くの成功例ブログがあるのだから。

「明るく楽しくゆるく(余裕を持って)介護する」という成功例に対し、「暗く、つらく、きつく(余裕など一片もなく)介護させられた」失敗例があるだろう。

わが家のようなケースがそれだ。親には大変申し訳ないことではあるが、できの悪い娘や息子を持ったと思ってあきらめてもらおう。

「明るく楽しくゆるく」介護できるのは、能力が高くて条件に恵まれている人だけ、特殊な例なのかもしれない。そう思えば劣等感から逃れることができる。

個人的能力の優劣は大きい。体力や忍耐力、ストレスへの抵抗力、想像力、そして演技力。これらが備わっていたら成功例に近づけると思う。

「介護に演技力?」と思うかもしれないが、演技力がなかったら認知症の人には何も伝わらない。何かを伝えるためには演技力が必要になる。

「どうせ何を言ってもわからないから」ですめばいいが、そうはいかない。生活全般に渡って、細かく声をかけてあげないと本人は何もできないのだから。

理解力の不足した人にわかってもらうためには、伝え方が肝心で、伝わるか伝わらないかは演技力によるものも大きい。

以前、「認知症の母と同居してから、私は女優になりました」というコメントをもらったことがある。毎日の介護は演技、今も演じ続けているという。

この人のように、上手に介護できている人は演技力が高いのかもしれない。

「明るく」ふるまい、「楽しく」みせ、「余裕のある」ふりをして、それで介護がうまくいく。本人の不安感が消え、言うことを聞いてくれる。気持ちが伝わる。

「暗く、つらく、きつい」現実であっても、「明るく、楽しく、余裕を持った」ように演じていたら、本人の症状が改善して、介護がラクになるかもしれない。

そうなったら、「明るく、楽しく、ゆるく(余裕で)介護」というのが現実になる。あり得ないような理想的な介護が現実になる。

理論的には可能だが、そう上手く事が運ぶのだろうか?

ただ悪化の一途をたどるだけの、「暗く、つらく、きつい」介護の思い出しかない者としては、可能性の薄いように思えるのだが。