認知症の人の言葉にイライラせずにすめば。。。。。
他人の痛みがわかるのも、脳が働いているからだ。
他人の苦しみや心の痛みを「自分のことのように思って」共感し、同情することは普通の人ではあたり前だが、できない人がいる。
「共感、同情」は人間関係の基本、これがないとなると社会から疎外されるので、一般社会ではこのような人に出会うことは少ない。
犯罪者にはこのような人の割合が高いらしい。
脳の特定部分の働きが悪いと、相手の立場で考えることができないらしい。そのため自分勝手な行動や、周囲を無視した発言をする。
「こんなことを言ったら相手がどう思うか」と考えないから、ひどいことを平気で言う。敵意や悪意は全くないのだが、結果としては同じだ。
相手の事情や状況を思いやることができないから、相手がどんなに困ることになろうとも、おかまいなしで自分の意見を通そうとする。
悪意はなく「困らせようとして」ではないのだが、結果としては同じだ。
認知症を発症すると、このような「共感できない人、相手の立場を思いやることのできない人」になってしまうことがある。
「年寄りのわがまま」だと思って見過ごしていたら、実は認知症が始まっていて脳の該当部分が壊れかけているかもしれない。
親が認知症になって、まるで別人のように変わっていく姿を見るのはつらい。姿だけでなく「心」も変わってしまうから、衝撃はずっと大きい。
親らしい「いたわり」や「やさしさ」が消えただけでなく、普通の人間関係ではあたり前の「気づかい」「遠慮」がひとかけらもなくなっているから。
「自分さえよければいい」という態度、「周囲の人の気持ちを無視し、自分の都合を優先する」自己中心的で傍若無人な行動には驚く。
あまりに違うので、「今までは、発症前は自分をつくろっていただけで、ほんとうはこんな自分勝手な人だったのか」と思うこともある。
脳が壊れているからで、それまでの人生とは関係ないのだが。
言語障害もなくスラスラしゃべる様子からは、脳に傷害があるとは思えない。「脳が壊れている」とは見えない。そこが問題だ。
どんなひどいことを言われても、「脳が壊れているから」と思えば気にしないでいられるだろう。だが、一見普通の人と変わらないから。
自分勝手な態度と「ひどい言葉」に、いちいちイライラし、怒りをガマンすることに精一杯で、「笑顔で介護」などできない。
いつもそのことを念頭に置いておけばイライラせずにすむのだろうか。「この人は脳が壊れているから妙なことを言う」ということを。
実行できたことが一度もないので、なんとも言えない。