胃ろうで寝たきり、「痛いところがない」はずは。。。。。
脳が壊れていると痛くても痛いと感じないらしい。
手足など末端の神経が「痛い」と信号を発しても、痛みを感じる中枢に異常が起きている場合は、脳は「痛い」とはみなさない。
うちのおばあちゃん(84歳)は寝たきりになって一年半になる。認知症を発症してからは7~8年、脳細胞の自滅は相当進んでいることだろう。
数年前までは会うと必ず「肩が痛い、頭がくらくらする」とか「今日も便秘でおなかが苦しい」とか「足がしびれる」などと不調を訴えていた。
今では一言もない。痛いところがないはずはないのだが。
痛いところは増えたはずだ。寝たきりを一度体験してみるとわかる。自力で寝返りができない人がどれだけ「あちこちの痛み」を感じているかが。
人は寝ているときも身体を動かして、体重のかかる位置をずらしている。
じっと動かないでいると、30分でも耐えられない。体重のかかる所が痛くなってくる。いくら楽しいことを考えても気分よくいられるわけがない。
寝たきりだと、その状態が昼も夜も、生きている限りずっと延々と続く。
痛みを訴えることがなくても、脳では痛みを感じていなくても、身体のあちこちは痛いはずだ。そのことを介護する側の人は考えに入れておくべきだ。
できれば30分に一回ほど寝返りさせてあげたらいいのだが、施設の都合で昼間でも一時間半から二時間に一回になっている。
いくら老人で痩せているといっても、50kg以上は体重がある。一人で動かすのはラクな仕事ではない。下手をすると腰痛になる。
それだけでなく、介護職の厳しい人手不足もあるから、もっと頻繁に寝返りさせてもらうなど頼めない。頼める状況ではない。
介護ロボットが普及するか、または介護ベッドに標準装備として「自動で寝返りさせる」機能がつくか、そういう未来になればいいと思う。
それにしても、ほんとうに痛みを感じていないのだろうか。痛みを感じていないのならいいが「痛いけれど、痛いと言えない」のだったら。
脳の中がどうなっているのか知りたい。いつもそう思う。