訪問介護(在宅介護)と介護保険外サービス費。。。。。
「サ高住」は施設のようで施設ではない。
うちのおばあちゃん(84歳、胃ろうで寝たきり)は今は一般の老人ホームにいるが、去年までは「サ高住」で暮らしていた。終の棲家のつもりで。
認知症を発症し、一人暮らしができなくなった2008年に入居したのだが、特養は待機者が多いので「施設のかわりに、とりあえず」だった。
が、入居すると「施設のかわりにはならない」とわかる。見た目には施設と同じで区別がつきにくいのだが、サービスと費用という点で大きく違う。
施設は「施設介護」で、セット料金、割安だ。サ高住は「訪問介護」で、必要なサービスを選んで最後に合算するという、アラカルト料金、高くつく。
それは理解していたが、それでも料金の差額はせいぜい三割ぐらいだろうと軽く考えていた。それでないと不公平というものだから。
しかし、入居時に提案された介護プランの料金を見ると、予想外だった。
介護保険の本人負担分が二万五千円とすると、三割高くても三万二千五百円だが、提示された介護サービス料金は六万円を超えていた。
これ以外にも入居者が等しく払う「生活サービス費」が三万円ほどある。家賃と食費、光熱費、医療費はまた別だ。とても払える額ではない。
高額になった理由は、介護保険外サービス代の四万五千円だ。
おばあちゃんが「一人で食堂に行く自信がない」と言うので、食堂までの付き添いを依頼したところ、介護保険が使えないということで。
歩けるし、自分で食事ができるので「食事介助」の対象にならないらしい。
それなら部屋に食事を運んでくれたらいいのだが、規則でそれはできないそうだ。(入居者本人の体調不良など特別な場合のみ運んでくれる)
認知症の入居者を想定していないとは考えられないのだが。
認知症の人がみんながみんな、毎日毎食いつも定刻に(食事の時間に)三階の自室を出て、迷わずに一階の食堂まで行けるとでも?
当時、本人は時計が読めていたが、朝昼晩の食堂の開いている時間を覚えていられるかどうか。その時その時で思い出すかどうか。
それはともかく、現実問題として食事がとれないとなると入居する意味がないので、食堂に連れて行ってくれることが入居の条件となる。
また、当初「予算は20万円」という話で進めていたのに、予算超過では何年もは住めない。何とかならないかと交渉して、解決に至った。
「食事の時によくむせる」ので「毎食時に見守りが必要」とみなして、介護保険を使ってヘルパーさんに食事の付き添いを頼めることになった。
しかし、それに介護保険を使ったら、それだけで点数がいっぱいになり、部屋の掃除や入浴の介助や買い物などに使う点数がなくなってしまった。
それらを依頼するとしたら介護保険外サービス代を支払うことになる。十五分;五百円、三十分;千円、一時間:二千円だそうだ。
「介護保険外サービス代を払うか、家族が掃除や入浴の世話をするか」となり、家族が交代で通って掃除や入浴、買い物をすることになった。
洗濯は本人がしていたから問題ない。当時はまだ洗濯機が使えたので。
特養などの施設なら、家族は掃除も洗濯もしなくていい。面会に行くだけでいい。ここが施設と「施設もどきの住宅」との大きな違いだ。
昨年老人ホームに転居して違いがよくわかった。今では大きなオムツの袋やティッシュやトイレットペーパーを買って持って行く必要はない。
家族の労力、身体的負担という点では、最も重いのが自宅介護、次がサ高住、最も軽いのが施設だろう。
もちろん「介護保険外サービス」に使うお金がいくらでもある場合は別だ。
お金か労力か、どちらかだ。お金があれば苦労は少ない。
介護にはお金がかかる。思った以上にかかる。これだけ高額な費用を払える人はいいが、払えない老人はどうなるのだろう。