これも認知症なんだ<That's Ninchi Show 2>

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認知症の迷惑電話や頻繁な呼び出しは。。。。

認知症の人の電話攻撃は、一人でいる不安から起こる。

同居家族がいつも側にいるなら、「一日に数十回も昼夜問わず電話をかけまくる」というような迷惑行動は少ない。電話で聞く必要がないからだ。

わからないことや自信のないことがあると、すぐに周りにいる家族に聞くことができる。誰かが側にいるという安心感もある。

周りに家族などがいると「電話攻撃」は少ないが、そのかわりに「しつこく何回も誰か人を呼ぶ」行動がある。

迷惑電話と同じで、一日に数回などではなく、数十回、百回。度を越した回数で、普通の人には耐えられない。相手をしていると何もできなくなる。

一人でいることが不安なのか、家族の姿が見えないと探し回る。

乳児が母親の姿が見えないと不安で泣くのと同じだ。幼児の「母の後追い」のように、家族のあとをついて離れないこともある。

うちのおばあちゃんが「施設もどき」住宅に入居して、家族は電話攻撃から解放され、安心して眠れるようになった。

そのかわりに高齢者住宅の管理室が電話攻撃の被害にあっていた。夜間も管理室には当直の職員が詰めているので、昼夜を問わず。

入居時に「何かわからないことがあったら、管理室へ電話してください」と言われたから、それで。認知症の本人は「わからないこと」だらけだ。

遠くにいる家族と違って、同じ建物にいるケアマネージャーさんは電話したら数分で部屋まで来てくれる。嫌な顔もせず、何回でも。

高齢者住宅のスタッフには迷惑をかけたが、本人にとっては「安心できる環境」だったようで、入居してから妄想は減り、徘徊することはなくなった。

この例からわかるように、認知症の人に一人暮らしは無理だ。「一人でいることの不安感」が症状を悪化させる。

もう一つ、普通の人が認知症の人と同居するのは無理だとわかる。「度を越した」行動に合わせて生活していける人など稀にしかいない。

「施設から在宅へ」という政府の方針は経済面では正しいかもしれないが、実情を全く考慮していないものだ。

入居費の安い施設の不足を知りながら、政府はそのままにしている。一人暮らしで寝たきりの老人すら入居先がなく「在宅」で待機させられる。

地域社会の支援があれば、そんな老人も在宅で安心して過ごせるというのだろうか。ボランティアが嫌がらずに何度も訪問してくれるとでも。

認知症を発症したら、家族以外は誰も頼りにならない。
それどころか、家族すら頼れない。それが現実だ。


参考:いつかは認知症の迷惑電話が消える