これも認知症なんだ<That's Ninchi Show 2>

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認知症の人は本能で動いているか。。。。。

認知症の人は本能で動く」と一部の人に思われている。

元々の性格に関係なく、発症後は感情的になり、容易に激怒したり、大泣きしたりする。時や場を考慮し、理性で感情を抑制することができない。

それらを見ると、世間一般(認知症の知識が浅い人々)は「認知症になると本能だけで生きている」と思ってしまう。が、それは大きな誤解だ。

たとえば「腹が減ったら食べる」というのは、誰が考えても当然で、本能的なことだろう。動物の生存には欠かせない。

が、認知症の人はそうでない場合がある。空腹感がなくて、食べない。または、空腹感はあったが食べるのを忘れたり、食べ物がわからなかったり。

このことから、認知症の人は一人では生きられないことは明白だ。認知症の人の一人暮らしは不可能、放置していたら生存不能となる。

もう一つは、発症すると「思いやり」や「相手の立場で考えること」がなくなること、共感できなくなることだ。共感がないので、協調もできない。

人間社会は共感でつながっていて、協調によって安定を保っている。それらを欠いた人々は「社会不安の要因」として、社会からは疎外される。

一人では生きていけないのに、地域社会からは疎外され、援助してもらえない。友人が多く活発だった人も、発症後は孤独で閉じこもるようになる。

「相手の立場で考える」ことは人間だけの高度な知的作業なのかというと、どうやらそうでもない。これも生存本能にかかわることらしい。

ジャングルの動物たちも、敵から身を守るために「相手から自分はどう見えているか」を考えて、相手の視点に立って「逃げる方向」を選ぶそうだ。

「本能まで壊れてしまった」というのが、認知症なのだろうか。

身体は元気で動いていても、脳は「生存不能」の域にある。それを何とか生存可能にするのが「認知症介護」だとすると、困難なのはもっともだ。

もし「認知症の人が本能だけで生きている」だけなら、もっと容易に、もっとストレスなく世話ができる。言ってみれば動物の飼育と同じだから。

親が認知症になってやっとわかったことだ。