認知症、「笑顔で介護」するためには。。。。。
一人暮らしの親が認知症になって考えた。
1.いつまで「一人暮らし」できるか。
2.認知症だということを本人に知らせるべきか。
3.アルツハイマー治療薬を使うか。
4.おとなしくさせるために、精神科の薬を使うか。
5.本人が嫌がっても、専門医に診せて精密検査するか。
認知症の専門医をどうやって探したらいいのか。
6.定期的に専門医の受診が必要か。
7.どういう経過で、どういうように病気が進み、最後はどうなるのか。
8.どのくらい介護費用が必要になるのか。介護期間は何年か。
9.どこに、どんな介護施設があるのか。
入所するのに条件はあるのか。認知症でも入所できるのか。
しかし、当時は全てわからなかった。誰にたずねたらいいのか、それさえ見当がつかない。家族みんなで悩んで、それでも答えが出ないこともあった。
(2)の本人への告知については、家族の中でも意見が分かれた。その他の項目も、答えは一つではないだろう。個人の事情でそれぞれ異なる。
親が認知症を発症したということ、それだけでも当時は家族みんながパニック状態で、冷静に「これからのこと」を考えるどころではない。
認知症の人は信じられないようなことをする。思わぬ事件の続発で、家族は「今を乗り切る」「今の困難な状況を何とかする」だけで、他のことは。
このように、ここまで認知症や介護について何も知らない、そんな家族を頼らねばならなかった本人は実に不運だったと思う。申し訳ないことだが。
何もわからないから不安で、心の余裕が全くなく、認知症の本人を思いやることなどできず、イライラし、ガマンできずに叱責することもあった。
そういう家族の誤った対応が認知症を悪化させるとも知らずに。
家族のイライラ(家族のストレス)を認知症の本人にぶつけてはいけない。本人の不安感が増し、そのストレスで脳細胞の自滅が進む。
本人は発症によって相当大きなストレスを抱えている。家族は本人に安心感を与える存在でなくてはならない。いつも笑顔で、元気よく。
が、そうは言っても、「笑顔で介護」は誰でもできるものではない。
認知症ストレスと不安感でいっぱいの本人、その本人のストレスをぶつけられる家族、そこに「笑顔」が期待できるかというと、無理な話だ。
何も知らないと不安で、心に余裕がない。心の余裕がなかったら、他者を思いやることが難しく、「笑顔で介護」はできない。
認知症の知識の普及、それが何よりも第一、最優先事項だと思う。