これも認知症なんだ<That's Ninchi Show 2>

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認知症の知識があればイライラは。。。。。

知ってさえいれば、イライラせずにすんだ。

親が認知症になった時、わけのわからない行動を始めとして「すっかり変わってしまった親」に対し、何かにつけてイライラして、時に憤慨していた。

毎日、何度も「ガマンしなければならない、顔に出してはいけない」と、自分に言い聞かせるのだが、憤りを全て抑えることはできない。

施設の介護スタッフの人々が「笑顔で介護」できているのが不思議だった。

認知症の人の特徴的な行動の一つに、「いつも何かを探している」というのがある。記憶障害のせいで、どこに置いたか覚えていないからだろう。

何かに取り付かれたように昼も夜も必死に探し物をしているのだが、出てこない。家の中は泥棒が入ったかのようにメチャメチャにして。

何時間もそこらじゅう捜索して、さぞ本人は疲れることだろう。その上、探している物はいつも出てこないから、失望し、ストレスを増やしている。

これと同じことが脳の中でも起こっている。

たとえば、テレビのチャンネルを変えようとして、どのボタンだったかわからない時「リモコンの操作法」の記憶を思い出そうとするだろう。

普通の人なら一瞬だ。ショートカットで「操作法情報」にたどりつく。が、記憶障害があると、その「操作法情報」を探すまでに遠回りすることになる。

どこにあるのかわからず、家じゅうひっくり返して探し物をするのと同様に、脳の引き出しを全部開けて、何もかもひっくり返して探すからだ。

それだけエネルギーを消費して探しても、多くの場合「欲しい情報」は出てこない。みつからない。自分では解決できない。かわいそうなことに。

疲れきった脳は休養を要求する。認知症の人が眠ってばかりいる理由の一つだろう。(脳のホルモン分泌障害や薬の副作用という場合もある)

認知症になってから寝てばっかりいる親を見て、いつも腹を立てていた。眠ってばかりいるから(脳の活動が減って)認知症が悪化したと。

なぜ眠ってばかりいるのか、どうして家じゅうメチャメチャにして探し物をするのか、その理由がわかっていたら憤ることもなかっただろう。

わかっていたら、イライラせず、怒りもしない。認知症への理解があれば違う。もっと心のゆとりを持ち、笑顔で介護できたかもしれない。

一般常識として認知症の知識を持つことが必要だと思う。