介護されて生きる十年、二十年。。。。。
我が家の認知症介護は六年を超え、七年目になる。
介護七年生、最初の脳梗塞の発作からすると、十年生だろうか。介護されて生きる期間がこんなに長くなるとは、本人も思っていなかったはずだ。
うちのおばあちゃん(83歳、胃ろうで寝たきり)は長男の嫁だったので、お姑さんを一人で介護して看取った。40年も昔のことだから自宅で。
半年ほど寝たきりだったらしい。だから、「自分も寝たきりはせいぜい半年から一年、長くても三年」と思っていたようだ。
半年でも大変だったそうで、「自分のような苦労を娘や息子、嫁にさせたくない。自分は迷惑をかけずに逝く」といつも家族に言っていた。
「おまえたちの世話にはならない。歩けなくなったら老人ホームに行く」と言って、それだけの費用は用意していた。三年分ぐらいの見積もりだろう。
本人の思うようにはいかない。現実はその倍だ。老人ホームではないが、「施設もどきの高齢者住宅」に入居してから六年になる。
「歩けなくなったら施設入所」ではなかったが、認知症によるバランス障害で歩行困難になっていたからだ。
歩行困難で「ほぼ寝たきり」が五年、「完全な寝たきり」が一年。
おばあちゃんの予定が狂ってしまったのは、この40年間の医療技術の進歩による。何度も脳梗塞発作で入院して、救命され退院できた。
40年前なら、最初か、二度目の発作で人生が終わっていただろう。
今の医療では「救命」は可能だが、もとの身体に「回復」は不可能だ。そして、それが「何年も何年も介護されて生きる」ことになった理由だ。
本人にとって予定外のことばかりだろう。「介護されて生きる」期間が長いだけでなく、胃ろうを付けたために長い長い終末期となっている。
老人医療はどうあるべきか、もう少し議論する必要があるだろう。