老人介護、一日九回のオムツ交換は。。。。。
寝たきり老人のオムツ交換はラクではない。
うちのおばあちゃん(83歳、要介護5、胃ろう、寝たきり)の入所先では、オムツ交換は一日に九回、その都度体位(身体の向き)も変更してくれる。
半身麻痺があり、寝たきりが一年にもなって筋力が落ち、寝返りがしにくいから、誰かに動かしてもらわないと同じ姿勢のままだ。
一日に九回というのは、平均すると二時間40分に一回だ。が、実際は二時間の時もあれば、間隔が三時間、四時間あく時もある。
これを見て「だから施設にはまかせられない。二時間もほっておかれるのはかわいそう」と思う人もいるだろう。
が、オムツ交換の合間には看護師さんが胃ろうの栄養液の注入に一日二回来てくれるので、合計一日十一回。十一回は寝返りさせてもらえる。
「施設はかわいそう」と言うが、もし自宅で介護するとして、「一日九回のオムツ交換ができるだろうか」と考えてみる。続けられる自信はない。
一週間や二週間ならともかく、毎日休みなく一年中だとすると。
三回吸収や四回吸収のタイプなら、長時間放置しておいてもいい。何回も交換すると疲れるし、オムツ代もかさむ。そんなことも考えるのでは?
自宅で一人で介護するとしたら、夜は眠らねばならないから、当然長時間用のオムツの上に長時間用の尿とりパッドを重ねて、だろう。
オムツの二重重ね、本人はさぞ気持ち悪いことだろうが、しかたがない。
うちのおばあちゃんの施設はそれがない。深夜から夜明け前の時間帯に四回もオムツ交換に来てくれているらしい。
「施設はかわいそう」というが、そうだろうか。「家族の都合で長時間も放置されている自宅介護」のほうがもっとかわいそうだ。
家族だからといえ、誰もが皆、施設の職員と同じように介護できるはずもない。まして、仕事や子育て(または孫育て)をしながらの介護となると。
もちろん「りっぱに自宅で介護している」例はたくさんある。個人的能力や家庭の環境など、条件が良ければ可能だ。かなり無理していると思うが。
能力の高い人でも無理なことはある。「施設から在宅へ」を進めようとしている人々には、ぜひこのことを考えてみてもらいたい。