これも認知症なんだ<That's Ninchi Show 2>

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認知症介護、できることをできるだけ。。。。。

終わりに近づくとわかる、そういうことが多い。

あとになってわかっても悔しいだけだが、これから同じ道を進む人に「ここが難所だ」または「この分かれ道が大事、よく考えて」と伝えられたら。

伝えることができたら、悔しいだけの失敗経験もムダにはならないだろう。

そう思って、この「失敗だらけの認知症介護」実録を書き続けてきた。ひとりは逝き、残るひとりも胃ろうで寝たきりという終末期になる、今現在まで。

終わってみて、心残りなのはやはり「認知症の正確で詳細な診断」を受けることがなく、「個人に合わせた適切な治療」も受けられなかったことだ。

ご近所の開業医による「認知症」という診断で介護保険の認定をとり、同じ開業医に一般的な「認知症の薬」を出してもらう。

認知症は治らないから、治療は気休め」ということなら、これでいい。

しかし、数は少ないが専門医はいる。認知症の型を判定して、それに対応して「今できる最高の治療とリハビリ」ができる医師だっている。

探す努力をすればいいが、時間的に無理。探しあてたとしても、遠方で地理的に無理。通院のために仕事を休むと収入が減り、経済的に無理。

「最高の治療を」と望んでも、できないことはできない。「できの悪い子供を持った定め、運が悪かった」と思って親にはあきらめてもらおう。

もう一つの心残り、最大の失敗と言えるのは「認知症の発症期に一人暮らしをさせた」ことだ。あとから思えば、ここが一番のポイントだった。

この時期は本人のストレスが最大になっていて、不安感も強く、(周囲の環境によっては)すごい速さで認知症が悪化する。

ここをどう過ごすかによって、かなり違う結果になると思う。うまく精神面の不安をコントロールできれば、症状が改善され、進行も遅くなる。

しかし、家庭の事情がある。誰でもすぐに同居できるものでもない。できない人は、これも「運が悪かった」として親にはあきらめてもらうしかない。

「お金持ちの家に生まれてきたら、どんなに」と思うように、子は親を選べないし、「何でこんな子が」と思うように、親も子を選べない。

自分ができることを、「できるだけ」の範囲の中で。それ以上のことはできなくても悔やまない。それでいいと思う。