認知症の問題は家族だけで解決できないが。。。。。
認知症関連のテレビ報道が増えたのだろうか。
取材を受けてテレビに出ている家族はどんな気持ちだろうか。少しでも社会に窮状を訴えたいとか、あとに続く人々の参考になれば・・とか。
現状を広く世間に知らせることで、何か変化が起きればいいという気持ちもあるだろう。世間一般の認知症への理解がまだまだ不足しているから。
身近なところでもテレビ取材の話があった。先月のことだが、うちのおばあちゃんと同じく胃ろうで寝たきりの人の家族のところへ、NHKから。
その話は直接聞いたわけではなく、「私は断ったけど、そちらにも取材依頼が来るかもしれないから」というメールが来て知ったのだが。
断った理由は、言いたいことはたくさんあるし、これからのことを思えばテレビで訴えたほうがいいかもしれないが、やはりテレビは・・ということだ。
匿名で顔が出なくても、テレビ取材は受けたくないと言うのは、たぶんテレビ報道が信じられないからだろう。どんな意図でどう作られるかが。
テレビに限らず、新聞など全て、取材というのは材料集めに過ぎない。一時間も話をして、記者の必要な「一言」だけが採用されることもある。
自分がいくら強調して訴えても、それが記者の欲しい材料でなかったら、ないものになる。それどころか自分の意図と違った方向にも作られる。
確かに発言したが、それはその言葉の前後とのつながりの一部に過ぎないのに、前後を省略してその発言だけを取り上げるというような。
前置きや、あとの説明を省略してしまったら、意味が違ってくることもある。そうなると何のために時間をさいて取材を受けたのかと悔やむだろう。
認知症の人を介護している家族には時間の余裕はない。自分の時間も、休みもない中で、何時間も取材に使われて、結果がそれでは。
映像というものは、それが真実を切り取ったものだと多くの人に思わせる。たとえ何かの目的があって意図的に編集されていたとしても。
多くの人が取材を拒否するのはそういう理由もあると思う。もちろん、ありのままを伝えるという良心的なメディアもあるだろうが、区別がつかない。
情報があふれる現代、何が本物なのかを見る目を養う必要がある。