認知症には「笑顔で介護」が。。。。。
認知症には「笑顔」が何よりの薬だ。
それがわかっていても、家族には「笑顔で介護」は難しい。「笑顔が大事」だと気づくのも遅れ、できないままに今に至り、後悔することしきりだ。
うちのおばあちゃんの笑顔を何年も見ていない。老人マンションに入居してすぐ、喫茶室で、他の入居者の人々につられて笑っていた時以来ずっと。
もう今では笑顔を見せてもおばあちゃんは笑顔を返してはくれない。脳梗塞の再発で顔の表情筋が動かせなくなり、笑顔をつくることもできない。
周りの人の笑顔を見れば、認知症の人は安心する。
認知症を発症すると、それまで普通にできたことの全てが心配事になってしまう。できるかどうか不安で、失敗を家族に知られるのも不安で。
「不安 → ストレス → 脳細胞の自滅 → もっと不安」という悪循環からぬけられない。それを断つには「安心させ、不安感を減らす」ことだ。
介護計画をたてる時、「家族が笑顔でいられるには」を第一条件にしたらどうだろう。笑顔でいられない、そんな余裕のないプランは持続不可能だ。
「家族が笑顔でいられる環境」というのは「本人(認知症の人)の安心できる環境」という意味でもある。
介護職の人がいつも笑顔で介護できているのは、「他人だから」だけではない。それも大きな違いで、乗り越えるのは難しいのではあるが。
休みがあり短時間限定、一人でなく複数で責任分担、嫌ならいつでもやめられる、そういう条件の違いが「笑顔」にあらわれてくるのだろう。
家族は24時間365日休みなしで、命が尽きるまでの無期限の拘束、頼る人もなく一人で全責任を負わされ、逃げたくても逃げられない。
そんな余裕のない環境では「笑顔で介護」は無理だ。家族の笑顔を見せられるにはどうしたらいいか、それを一番に考えるべきだと思う。