訪問診療医の消える夏が来る。。。。。
介護施設などへの訪問診療の報酬は、四分の一になった。
2014年4月、老人ホームやサービス付き高齢者住宅など、同一施設内で一日に複数の患者の診療をする場合の診療報酬が大幅に減額された。
従来の四分の一、75%の大幅な値下げだ。医師は納得しないだろう。
一度の訪問で何十人もの高齢者を診察できるから、これまでは「おいしいビジネス」だった。「自宅介護」の何軒もの家庭を訪問するのと比べて。
交通費や移動にかかる時間を考えたら、効率よく稼げる。在宅診療費は定額で一割負担だと月に約六千円、患者一人で六万円の売り上げだ。
これまで「自宅介護」と診療報酬の差がほとんどなかったのは、おかしいと言えばおかしい。が、四分の一にまで下げるというのはどうだろう。
「在宅医療」を推進しているはずなのに、大幅に値下げするとは。訪問診療をやめる医師が出ることは必然だが、「想定内」なのだろうか。
日経新聞夕刊に「訪問診療、医師の消える夏」と題した記事があった。今の時点では「様子見」の医師らが、夏には訪問診療をやめるだろうと。
また記事には「厚労省によると、4月末で在宅を担当していた医師がいなくなったと報告されたケースは全国で3件」とも。これは実態と違う。
うちのおばあちゃんの老人マンションの担当医も今年4月「突然」訪問診療をやめた。それが全国で3件の内に入っているとは思えないから。
「報告されていない」多くのケース、それが実態だ。厚労省の職員は「報告された」数字だけでしか考えられない人々なのだろうか。
今回の診療報酬のカットは、膨張する「訪問診療費」を抑制するために必要なことかもしれないが、「医師が消えたら」高齢患者はどうなる?
安い診療報酬でも高齢患者を看取る、そんな「赤ひげ先生」ばかりいることを期待しての改定? コストをかけて医師になった人にはあり得ない。
医は仁術ではなく、算術。お役人様はよくわかっているはずだが。