これも認知症なんだ<That's Ninchi Show 2>

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胃ろうで寝たきりでも、まだまだ。。。。。

もうお迎えを待つだけと思われているが・・・意欲はある。

うちのおばあちゃんは「要介護5、胃ろうで寝たきり」になって半年だ。寝たきりになったのは脳梗塞の再発により左半身にマヒが残ったからだが。

口も曲がってしまって発音が不明瞭になった。普通なら、言語聴覚士などのリハビリが受けられるはずだが、「認知症だから」と何のリハビリもない。

八十三歳で、認知症で、脳梗塞が何度も再発する、そういう場合は医療保険を使ってリハビリを受けることができないらしい。医師が承諾しない。

高齢者にリハビリは効果が薄いからムダ、膨張する医療費を抑制するためにはそういう部分を厳しく制限しなければ・・ということだろう。

そんなになっても、おばあちゃんは今でもしゃべっている。周囲の人が何のことか聞き取れないから会話にならないことも多いのだが。

老人ホームへ転居しても、特に問題はなかった。認知症の人は環境の変化に弱い。「うつ」傾向になるとか、不安感で騒ぎまくるとか心配されたが。

記憶力が極端に悪化して、環境の変化に気がつかないのだろうか。寝たきりで天井やテレビ画面を見ているだけの日常だから、どこであっても。

介護スタッフが皆「知らない顔」になっている、それも気がついていないのかもしれない。最近は訪問介護スタッフも入れ替わりが激しいから。

認知症の人の転居」で最も心配なのが、新しい環境になじめずストレスが増えて認知症が悪化することだ。それがなくてほんとうによかった。

転居して一週間、介護スタッフの人が来てくれるとおばあちゃんは「お名前は?」と聞いているらしい。あいかわらず同じだ。今までもそうだから。

部屋に置いてある介護記録にそう書いてあった。驚いたのは、介護職の人が逆に名前を問うと、本人は正確に自分の姓名を伝えたという。

まだ自分の名前が言える。自分が誰だかわかっている。医師からは「リハビリしても治療しても回復の可能性のない終末期」とされていても。

介護スタッフの名前を聞いて覚えようとしている。覚えられない脳になっていても。認知症の人は無気力でリハビリに適さないとされているが。

覚えようという気がまだある。周囲の人へ関心もある。無気力で無関心というわけではない。胃ろうで生かされている身になっていても。

最後まで向上心を持つのが人間だ。胃ろうで寝たきりでも、まだまだ。まだ未来はある。終わりではない。