否定しないのが認知症の介護だが。。。。。
認知症の人の言うことは否定してはいけない。
当時、うちのおばあちゃんが発症した頃のことだ。家族の誰もが知識不足で、認知症かどうかもわからなかったので、「おかしなことを言う」たびに否定していた。
「おじいちゃんの命日は15日ではなく、18日だ」とか「キャッシュカードの暗証番号は口座番号と同じであるわけがない」とか、本人の主張を完全否定していた。
本人は「絶対にそう。何で誰もかれも皆そんなウソ言うの」と主張を曲げず、興奮して怒り出し、最後には泣き出す始末だった。家族みんなから疎外された気持ちだろう。
ウソを言っているのは本人なのに、本人は絶対に自分が正しいとして誰の意見もきかない。本人の記憶ではそれ(=ありえないこと)が事実であり真実だから。
バカ殿は自分勝手で他人の立場も考えずにむちゃくちゃな命令を出す。それに従っていたら「お家断絶」だから、家老は従うふりをして、うまくごまかす。
一人では暮らせないが、老人ホームには行きたくないとなると「おまえたち一家が東京から帰ってきて一緒に住んだらいいじゃない」という命令が下る。
田舎に仕事はなく、子供の学校はどうなる? そんなことに従えるわけがない。
封建時代の苦労を21世紀になって味わうとは思いもよらないだろう。封建時代どころか、もっと昔の奴隷制時代かもしれない。重い鎖につながれた奴隷。
否定しないで、上手にごまかす。それができると介護がラクになる。