これも認知症なんだ<That's Ninchi Show 2>

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認知症の人の目を見て話しかけるのは。。。。。

ユマニチュードの「目を見て話しかける」の意味は大きい。
 
老化で視力が落ちている上に、認知症の人は心理的視野狭窄もあって正面しか見えていないから、正面から目を見て話しかけないと何も届かない。何も伝わらない。
 
それが第一の理由だが、その他にもいくつも理由があり、利点がある。その一つとして脳への刺激だ。目を合わせると、かなり強い刺激として視覚情報が伝わる。
 
野生動物の場合を考えるとわかる。熊や狼に遭遇した時、目を見てはいけないと言われているのは、「目と目を合わせること」が威嚇、攻撃のサインだから
 
「目を合わせる」瞬間に、脳は普通なら「危険に備えて身構える」し、「視覚情報と記憶データとを対照させて敵かどうか判断する」はずだ。野生の本能として。
 
認知症の人はどうなのだろう。脳の壊れ方にもよるが、ある程度は脳が働くに違いない。「この人は誰だろう。敵(=悪い人)なのかな・・親しそうだけど」ぐらいは。
 
認知症になると「自分から」脳を使わなくなる。脳を使うこと全てがしんどいし、何をしても上手にできないから嫌になる。外部から脳へ刺激を与える意味は大きい。
 
強い刺激があれば脳の血流もあがる。認知症薬と同じ効果が出るだろう。
 
もう一つ大きな意味がある。「仲間意識」の確認ということだ。「目を合わせても攻撃されない」のは仲間だから。孤立感や疎外感を減らすのには役立つ。
 
どんなに脳が壊れても、人間らしくなくなっていっても、最後まで仲間として見送ってあげる。そういう意味も含まれていると思う。