これも認知症なんだ<That's Ninchi Show 2>

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認知症が出たら親子関係は。。。。。

親といるのが「世界で一番疲れる」ことになるとは・・・思わなかった。
 
子供は親が大好きだ。世間一般に見たら「つまらない」親でも、自分の親は特別だ。何でも遠慮なく話せ、気がラクだ。世界で一番気をつかわないですむ人、だった。
 
遺伝なのか、環境なのか、親子は考え方も性格も似ていることが多く、話が合うので一緒にいてストレスを感じることが少ない。意見の衝突によるストレスがない。
 
もちろん全然似ていない親子もいて、反発しあってることもある。その場合は別だ。
 
自分と違うタイプの人と同じ集団にいるとストレスが増える。衝突が多く、それを避けようとしてガマンする(自分を殺す)ことになり、常に緊張していて大変疲れる。
 
仕事や地域の人間関係やらで疲れて、親にグチを言いに行く。嫌な顔もせずに聞いてくれ、好物をいっぱい作ってくれて、笑顔で元気づけてくれたものだ。
 
ただしそれは「認知症になるまで」の話だ。発症してからは全く別人。グチ、不平や不満だらけで、笑顔はなく、わめいたり、どなったり、泣いたり。
 
よく知っていて気ラクに付き合える人だったのが、まるっきりわからない人になり、どう対応していいか悩む。下手に扱うと爆発する、そういう危険物のようなものだ。
 
「腫れ物にさわる」ように注意し、常に緊張してのぞむ。それだけでもストレスだ。わずかなことでも興奮して大騒ぎを起こすので刺激しないようにと心がける。
 
本人の言うことを否定すると、あとが大変。家族みんなに「おばあちゃんの言うことを否定しない」ように徹底させる。気をゆるめるとそれだって実行できない。
 
世界で一番気をつかわないでいい人だった親が、一緒にいるとそれだけで世界一疲れる人になってしまった。これまでの人生で出会った誰よりも、数倍も数千倍も。
 
ストレスは同じ空間にいる時だけではない。離れていてもふと思い出すと胃が痛くなる。言われたことの数々を思い出すだけで腹が立つ。人生最悪の思い出だ。
 
できれば二度と会いたくない、そんな人を世話しに行かねばならない。出かけることを思うだけでまた体調が悪くなる。「心の健康」を守るための防御反応だろう。
 
親だから介護して当然、親だから毎日でも面会に行って当然、それはそうだ、もっともだろう。が、親に会うのが一番疲れることで、何よりもストレスが大きいのも事実。
 
そういうことを世間一般はわかっているだろうか。