これも認知症なんだ<That's Ninchi Show 2>

FC2ブログに引っ越しました。週一回か二回は更新しています。

認知症家族に笑顔は無理だ。。。。。

家族には「笑顔で介護」は無理かもしれない。
 
認知症の人の家族は、(ストレスがあり過ぎて心の余裕がなく)笑顔になれない。笑顔をつくろうとしても笑顔がつくれない。介護職の人は「できる」のに、できない。
 
たとえば親が認知症だという、その事実だけでも心は重い。今現在も、将来も不安、「ひとがかわってしまった」親を見ているのも、つらい。できれば見たくない。
 
見たくないものを見せられて、「笑顔でやさしくなど不可能だろう。普通はそうだ。
 
認知症の人と関わるのは、それだけでストレスになる。おかしなことを言い、社会通念から全くはずれた行動をするのを、否定せずに「寄り添う」ことを要求されるから。
 
今までの生活とは切り離して、頭を切り替えていけばいいのだが、40歳や50歳にもなると、若い時と比べたら適応力が衰え、融通がきかず簡単にはいかない。
 
切り替えられないまま、どっぷりと認知症の世界に沈められ、息苦しい思いをひたすらガマンしていると、たまり続けたストレスが、身体や精神を害することにもなる。
 
体調も悪く、精神的にもイライラを抑えることができないほど不安定な状態で、同じように精神的に不安定な認知症の人を介護する。かわってくれる人がいないから。
 
そんな人が「笑顔で介護」できるはずはなく、理想とは正反対の介護になる。そのままにしておくと、老人虐待や一切世話をしないというネグレクトになることもある。
 
介護職の人のように、「認知症はこうなんだ」として、淡々と必要な介護をして、感情的にならなければいいとは思っていても、できないのが家族だ。
 
笑顔を見せて、ゆっくりと落ち着いて話しかけると、認知症の人は安心できる。その安心感が「何よりのクスリ」なのだと知っているが、それでもできない。
 
腹を立てるな、ふくれっ面をするな、大声でとがめるな、早口で指図するな、ゆっくりと落ち着いて笑顔で話すように、と言われていても、わかっていてもできない。
 
今日もまたできなかったと後悔すると、それもストレス。無力感や劣等感。介護に行く日や、施設の面会に行く日は、朝から体調が悪くなる。ストレスからだ。
 
それでも他にかわってくれる人がいないから、見に行かねばならない。「笑顔で介護」ができないのに、(責任感で)できないことを無理して続ける。またストレス。
 
いくつも、いくつもストレスが重なっていく。介護は年中無休だから、ストレスのない日は一日もない。それを世間は「家族だから当然」というのだろうか。
 
一週間に一日でもいいから、完全に介護と無関係の日をつくる。そこで気持ちの切り替えをして、ストレスを解消させないと認知症の介護は持続できない。
 
それができるだろうか、特に少人数家庭の在宅介護では難しいだろう。他人に頼るとしても、施設の利用が困難だったり、本人が短期入所などを嫌がったりする。
 
解決の道があっても、そこに行けない。ストレスがまたストレスを呼ぶという、ストレスの悪循環から脱出できない。そんな人は多い。
 
どこかで思い切ることが必要だろう。場合によっては「本人よりも家族」でいい。「家族だから当然」に縛られていたら最後まで抜け出せない。
 
長生きして「子や孫がそこまで苦労する」とは、誰も思っていなかっただろう。