これも認知症なんだ<That's Ninchi Show 2>

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認知症の親の思い出は。。。。。

思い出しても腹が立つ、それが認知症だ。
 
世を去ったあとに、なつかしく思い出してもらうには認知症になってはいけない。子や孫に想像もつかないようなストレスを与えたら親の思い出はめちゃめちゃだ。
 
晩節を汚すという言葉があるが、まさにそれだ。人生の終わりがこれ、ひど過ぎる。
 
親の一周忌や三回忌法要で、兄弟が集まったときの話題は「こんなひどいことを言われた」「こんなこともされた」という被害の思い出だけ。まるで被害者の会だ。
 
長兄の場合は家族がひどい目にあった。発病前は嫁姑の仲はよく、「お嫁さんがちゃんと育てたから皆いい子だ」と言って孫たちをとてもかわいがっていた。
 
それが突然ひとがかわったように兄嫁をいびるようになり、世話をしに行くたびに信じられないような最大級のひどい言葉でなじられたらしい。兄嫁はウツになった。
 
それだけでなく、孫娘が会いに来たらここぞとばかりに「あんたのお母さんは・・・・」と最大級の悪口を言い連ねた。延々と何時間も。孫娘に言うべきことではないのに。
 
かわいそうに孫娘は精神的ショックが大きかったのか、拒食症になり、一時は就職もあやぶまれた。今ではちゃんと有名企業に就職し、がんばっているそうだが。
 
兄嫁は「お母さんがこわい、お母さんの家に行こうとすると足がすくむ」と泣きながら言っていたぐらいの状況で、ストレスの源から離れることしか救う道がなかった。
 
こうして長兄の一家は転地療養を兼ねて遠方に引越して行き、おばあちゃんの世話をする人はいなくなった。認知症の人は自分から孤独になるようなことばかりする。
 
次兄も遠方に住んでいて盆と正月に会いに来るだけで、近くに住んでいる弟は持病があって入退院を繰り返していて介護などできない。長兄の一家が頼りだったのに。
 
子供が四人もいても、誰一人として世話ができない。これでは施設に入所するしか方法はない。「施設はかわいそう」と言われても、それは本人が自ら招いた結果だ。
 
施設に入所してからも、長兄の一家は誰も面会に来てくれなかった。お葬式も兄嫁は来てくれなかった。恨みからか、出てこれないほどウツがひどいからか。
 
恨んでも当然だと思う。嫁姑が仲良くしていたころには戻れない。