認知症のパッシングケア。。。。。

パッシングケアというのがあるそうだ。

 

近所の大学で「認知症の人とのコミュニケーション」という講座がある。そこの学生に聞いたのだが、パッシングケアについて寸劇を行ってみて討論しているそうだ。

 

教育学でも使われているらしいが、認知症の人の問題行動への対処法ともなる。

 

「とりあえずかわす」　「やり過ごす」　「気持ちを傷つけないように発言や行動を別のところにそらせる」　「はぐらかす」ということを指すらしい。

 

幻聴や幻視を「ほんとうのこと」だとして大騒ぎしている本人を前に、それを否定することなく、気持ちをそらすことなのだろう。認知症だと、じきに忘れてしまうから。

 

やり過ごすといっても、決して「パス」や「スルー」ではなく、右から左へ聞き流すのでもない。そんなことをしていたら「否定」と同じような悲惨な結果を招くことになる。

 

大騒ぎしているのを無視し、聞かなかったことにして立ち去るのは、パッシングケアではないようだ。それが一番ラクなのではあるが。

 

しかし、「盗まれた」とか「隣が火事だ」とか、「家の中に不審者がいる」とかいう妄想を、否定することなく、別のことに関心をそらす・・・簡単ではなさそうだ。

 

認知症の介護は誰にでもできるものではない、やはり。