認知症の人との同居は。。。。。

認知症の人の一人暮らしは無理だ。

 

それがわかっていても「まだ～できるからだいじょうぶ」と思いたい。親が認知症でも自宅に引き取るなり、親の家に引っ越すなり、決心するのは相当の覚悟がいる。

 

認知症でなかったら、老父母と同居するのはそこまでの覚悟はいらない。老人のプライドをそこねないように気をつかいながら、補助していけばいいだけだ。

 

認知症初期なら、毎日通ったり、電話で細かく指示したり、カメラを親の家に設置してネットで様子を見られるようにしたりして、別居していてもしばらくは何とかなる。

 

しかし、いくら努力しても一人暮らしの場合は「一人でいる不安」が続くわけだから、それがストレスになり、脳細胞の破壊が進み、認知症がひどくなる。

 

遅かれ早かれ、やがて徘徊や被害妄想が出るようになって、「同居しないといけない」事態になる。そこまでほっておいたことを後悔しながら。

 

認知症の人との同居は、何が一番の問題かというと、「自分の家がなくなる」ことだ。自宅が「２４時間介護、年中無休の介護施設」になり、安らげる場でなくなる。

 

介護に疲れ、気力も体力もなくなっても、逃げ場がない。自宅は本来は、落ち着いて心と身体を休めることのできる唯一の場所のはずだが、時に「戦場」になっている。

 

戦場は「突然何が起こるかわからないから、常に身構えておく」必要がある。

 

毎日が緊張の連続、そんな状況で何年も耐えられるものだろうか。認知症の在宅介護を継続させるためには、それではいけない。どこかに逃げ場がいる。

 

認知症の親と同居するのであっても、「自分の家」を確保し、「自宅で安らぐ時間」を作ることが可能ならいいのだが。