これも認知症なんだ<That's Ninchi Show 2>

FC2ブログに引っ越しました。週一回か二回は更新しています。

認知症の人の財布は。。。。。

認知症の人の財布は小銭だけにする。
 
おばあちゃんが老健(介護老人保健施設)に短期入所した時、施設の人に言われた。「お小遣いは千円ぐらいで。雑誌を買いに行く時は職員が付いて行きますから」
 
認知症の人の財布は小銭だけ、せいぜい千円札一枚程度だそうだ。それまでおばあちゃんの財布はいつも一万円ぐらいは入っていたので、本人は実に不満そうだ。
 
本人にしてみたら、一万円ぐらい持っていないと心配で、安心できないらしい。しかし、周囲の人からみたら、認知症の人に高額紙幣を持たせるなど考えられない。
 
財布をどこに置き忘れるか、捨ててしまうかわからないし、何に使うかしれない。本人だっていくら持っていたかも確かでなく、いつ何に使ったかも覚えていない。
 
何もかも思い出せないから、お金だけが消えている事実に混乱し、「誰かが盗んだ」と言うようになる。施設によっては問題を避けるために財布を預かってくれる。
 
認知症の人にお金を持たせたり、一人で自由にお金を使わせたりするのは基本的にはあり得ない、混乱のタネを作っているようなものだから。
 
精神科病院ではもっと明確にしている。入院患者のお小遣いは入院費とは別途に病院に払うようになっていて、必要な時に随時買い物は代行してくれるらしい。
 
実に合理的で的確な対処法だが、本人の気持ちはどうなのだろう。それを考えた上で、トラブルがないように最も適切な方法をとるのが一番なのだが。
 
遠い親戚の人(八十代)に電話でこんなことを言われたことがある。「息子が通帳を全て、年金の通帳までとりあげてしまって、お金が出せず困っている。」と。
 
その上に「必要なときに言えば現金を渡すということになっているが、言っても言っても少ししか渡してくれないので、何も買えず暮らしていけない」ということだ。
 
この人が認知症だということを聞いていたら驚かないが、知らない人が聞いたら「何てひどい息子!」と思うだろう。親の年金まで自分のものにして使っていると。
 
認知症が軽く「まだらボケ」の段階の時は、日常接していない人には普通だと思われるから、こういうふうに親戚に被害を訴えると相手が本気にすることもある。
 
認知症の親を介護するために仕事をやめて地元に帰ってきた孝行息子のはずが、失職して親の年金をあてにして食いつないでいるアホ息子にされてしまう。
 
認知症の人に通帳や多額の現金を持たせないのが基本だ。「とりあげられた」と親が不満に思っていてもしかたがない。「とりあげられた」と思わせないのがコツだ。
 
少額の現金をその都度渡すのも、認知症だったらそれしか方法がないだろう。「少ししかくれない、けち」だと親が思い、あちこちに不平不満を言ってまわっていても。
 
お金を渡していても、本人はもらったことを覚えていないし、そのお金を何かに使ってしまって手元にないのに使ったことを覚えていない、そういうこともある。
 
この問題の解決方法はないような気がする。