これも認知症なんだ<That's Ninchi Show 2>

FC2ブログに引っ越しました。週一回か二回は更新しています。

施設入所や介護同居の決心は。。。。。

年をとると、変化を嫌い現状維持に固執する。
 
脳が老化して、新しいことを考えるのが面倒になるからだ。面倒どころか、新しいことを覚えるのが苦痛になる。そんなしんどいことは避けて今まで通りでいいと言う。
 
それは七十代や八十代の親世代だけではない。四十代五十代の子世代でも脳の老化は始まっていて、新しいことを嫌がる傾向にあり、先送りするようになる。
 
訪問介護事業所の若いケアマネージャーさんが不思議そうに言っていたことがある。「五十近くになってもお母さんと離れるのが嫌なのでしょうか」と。
 
老母と中年の息子の家庭で、何度施設入所をすすめても息子の決心がつかず、どんどん認知症が進んでいて一人にしておけない状態になっているというケースだ。
 
息子は仕事と親の世話で疲れきっており、このままでは介護放棄(ネグレクト)の心配もあるが、なぜか施設の見学や申込という行動を起こさないままでいる。
 
若い人にはわからないだろう。これは親への執着や愛着ではなく、ただ単に現状を変えたくないだけだ。不安もあり、新しいことを始めるのが面倒なだけだと思う。
 
それまでのように家事をこなして支えてくれた老母だったら離れたくないかもしれないが、認知症になって何もできない上に迷惑(暴言暴力)をかける母は別だ。
 
さっさと別居したいのだが、行動を起こすのが面倒で先送りしてしまっただけだ。そこに至るまでに施設入所をするべきだっただろう。親一人子一人の場合は。
 
何事も適した時期というものがある。あとにまわして時期を逸してはならない。
 
「いずれは老人ホームへ」と決めている場合は、認知症になる前の入所が適していると思う。ボケてしまってからではホームで友人はできない。楽しくない。
 
世間一般では老人ホームなど施設入所の時期は「介護が必要になったら」で、多くは「歩けなくなったら」を想定している。要介護4以上を。
 
認知症の人は要介護1でも24時間の介護(見守り)が必要だ。それをわかっている人がどのくらいいるのだろう。「介護が必要」という基準を見直すべきだ。
 
「いずれは親と同居して」と決めている場合も、認知症になる前がいい。子や孫からの刺激で認知症の予防になる。同居していれば認知症の発見も早い。
 
しかし、「身体が弱り足腰が立たなくなって、介護が必要になったら」親と同居するというのが世間一般の考えだろう。元気なうちは老母一人でもだいじょうぶだと。
 
その先送りは自分の脳の老化によるものかもしれない。「まだ老母一人でだいじょうぶ」と自分に思いこませて、新しいこと(変化)を避けようとしているのは。
 
「新しいことはおもしろい。変化は楽しい」と自分に言い聞かせよう。