どうしようもない矛盾がある。
尿路感染症を防ぐために導尿(カテーテルを膀胱まで通し、尿パックに尿を排出)をしていながら、導尿していることが原因で尿路感染を起こすことがある。
尿パックの交換時に雑菌が侵入したり、尿パックの固定位置が高すぎて尿が逆流し、古い尿が膀胱にたまって雑菌が増殖したりするらしい。注意していても。
寝たきりでは、一日中横になった状態では尿の流れだって悪く、滞留しやすい。
脳梗塞や糖尿病などで排尿障害が起き、尿が膀胱に残り続けることで尿路感染症になる。それを防ぐために導尿をして、それが防げない。
胃ろうも同じことが言える。脳梗塞や認知症の進行によって嚥下障害が起き、誤嚥(飲み物や食べ物が気管に入ってしまうこと)により肺炎になることが多い。
誤嚥と誤嚥性肺炎を防ぐために「胃ろう」を付ける。が、誤嚥の危険はまだ残る。胃ろうは胃に管を通して栄養液を流しこむのだが、多過ぎてあふれることがある。
特に寝たきりの人、寝たままだと下に流れていかないから、逆流しやすい。その逆流物が口に達して、誤嚥してしまうらしい。また唾液を誤嚥することもある。
誤嚥性肺炎を防ぐために胃ろうを付けたのに、それでも誤嚥性肺炎になる。
寝たきりで、横になったままというのが自然に反しているのだろう。起き上がって歩くことで人間は身体の機能がバランスよく保たれていくと思う。
寝たきりにさせないこと、それしかない。