「認知症だからできない」とは言えない。。。。。
認知症の人の能力を過小評価しているようだ、世間は。
一人では何もできないが、誰かが細かく指図して動作の手順がわかればできる。誰かが適切なヒントを与えれば、時期によっては考えることも思い出すこともできる。
時間をかけて毎日何度も繰り返していれば、新しい情報でも記憶することができる。毎日来てくれると、ヘルパーさんの顔や名前、経歴などを覚えてしまうように。
ただ本人が強く「これはできない」と思い込んでいる場合は難しい。何回も一人で失敗して、「できない、その能力はもうない」と思い込んでしまうことがある。
たとえば、ベッドから立ち上がってトイレに行くときに何回も転倒して痛い思いをしたら、「もう一人では歩けない」と思い込んで、自力で立ち上がろうとしなくなる。
老人は思い込みが強いものだが、認知症の人は特に強いような気がする。これを逆手にとって、「できない」でなく「できる」と思い込ませたら勝ちだ。
「できない」と思い込んでいることを、側で声をかけてアシストして「できる」ところまで持っていくと、その成功体験が自信につながるだろう。
認知症の人は「やる気がない」、無気力で、何に対しても無関心だ。脳が働いていないからだが、それだけでなく毎日の数々の失敗体験が意欲を失わせているせいだ。
「できる」ことを保持するためにも、認知症の人を一人にしてはいけない。