これも認知症なんだ<That's Ninchi Show 2>

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認知症の人を一人にしない。。。。。

認知症の人は一人では何もできない、基本的には。
 
認知症の人の能力は一時的で、日々刻々変化する。昨日までできていたことが今日できるとは限らない。基本的には毎日少しづつ「できなくなる」方向にある。
 
だから「認知症の人には何も期待してはいけない」、失望し予定が狂うだけだ。
 
約束は守れない、悪意や故意ではなく、約束したことを思い出せないからだ。昨日の約束どころか、つい数分前に承諾したことも「そんなこと言ってない」と言われる。
 
「○○はできる、その能力がある」と期待してはいけない。突然できなくなるから。
 
家電の操作や料理など複雑なことができなくなるだけでなく、「こんなことが」と驚くような単純で基本的なことまでが比較的早期から「一人では」できなくなる。
 
トイレのウォッシュレットの操作がわからなくて水浸しにしたり、トイレの水を流すのを忘れたり、手を洗うのを忘れたりして、とうとう自分のお尻をふくこともしなくなる。
 
うちのおばあちゃんの歯が汚いのに気づいた時は遅かった。虫歯だらけになっていた。いつの間にか「歯ブラシで歯をみがく」ということができなくなっていたようだ。
 
歯磨きを忘れて寝てしまうだけではなく、仮に覚えていたとしても「歯を磨く」という動作がわからない。「何を使うのか、どこにあるのか」も思い出せない。
 
歯ブラシは洗面台の上に置いてあって、毎日手を洗うときに見ていても記憶になく、目で見えていても見えていないのと同じ結果になる。脳が働いていないから。
 
誰かが歯ブラシを手にもたせて、「歯磨きしてください」と言うと、口にくわえておしまい。手を動かしてブラッシングする、という動作を思い出せないでいる。
 
指図されない限り、次の動作に移行できない。言葉で教えるだけではだめで、身振り手振りでやっとという場合もある。それでも「まねをする」のも難しい人もいる。
 
「歯磨きが終わったらブクブクうがいですよ」と言って水を入れたコップを渡しても、その水を飲んでしまうこともある。歯磨きの手順が全く頭にない。
 
こういうように本当に簡単なことがわからなくなり、誰かの指示がないとできなくなる。
「ずっとできている」からといって目を離していると、ある日突然できなくなっている。
 
認知症の人は基本的に一人では何もできない、と思っておいたほうがまちがいがない。誰かが側で手順や動作の方法を一つ一つ指図してくれるとできる。
 
これまでの人生で覚えてきたことを思い出すことができない。毎日の生活で必要なことがどれもこれもわからない。一人では何もできない。それが認知症の日常だ。
 
それゆえに一人でいることが不安でたまらず、家族の勤務先にまで電話したり、一日中誰か(嫁や娘など)につきまとったりする。誰かが側にいると安心できるから。
 
その不安感を考えたら、認知症の人を一人にしておいてはいけないと思う。誰かが指図すればできるのだから、それをできないことにしてしまわないためにも。