これも認知症なんだ<That's Ninchi Show 2>

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寝たきりのほうがマシ、ということは絶対にない。。。。。

介護度が重度になるともう「安定」はない。
 
頭がおかしいだけで身体は元気で歩き回っている時も「安定」はない。家族は不安だらけだ。突然の異常行動に振り回され、迷惑をかけられ、心の落ち着く時はない。
 
早く歩けなくなって「寝たきり」になればいい、「キチガイばあさん」が歩き回っているより、ずっとマシだ、そのほうが介護がラクだ、と思うこともある。
 
思えば五年前は家族の中でそんなことを言う者もいた。知らないから言えた。
 
認知症の性質上、どの時期でも安定はない。症状も脳の機能も日々刻々と変化し、一日のうちでも差の激しい時もある。「これが同じ人?」と思うぐらいに。
 
「ほぼ寝たきり」になったら、暴れることも暴言を吐くこともなく、おとなしく寝ているだけでラクかと思う。が、何も知らないからそう思うのであって現実はもっと厳しい。
 
迷惑をかけながらも元気に歩きまわっているほうがいい。少々の迷惑なら。
 
「寝たきり」になると、次から次へと身体の不調が現れ、持病は悪化し、何度も感染症にかかるようになる。緊急入院し、退院してもすぐに再入院というような毎日。
 
退院時には一段と身体機能が衰え、一段と体力も衰える。関節が一つ一つ動かなくなり、しゃべる言葉も減る。病院の治療は「生かす」ことだけだから。
 
そんな状態ではいつ緊急入院の要請があるかわからない。施設や「施設のようで施設でない」高齢者住宅から、真夜中の電話で起こされることも日常になる。
 
「寝たきり」老人の家族は再びまた不安で眠れない日々が続く。朝まで何事もなければいいと思いながら。
 
「寝たきり」になると、なぜ病気がちになるのだろう。なぜ回復できないのだろう。
 
ヒトは動物だ。動いているのが普通で、動かなくなったら正常に身体機能を保っていかれないのだろう。寝たきりで寝返りもしなくなると、正常に血液が巡らない。
 
老人の多くが持病としている生活習慣病、高血圧も高脂血症も、糖尿病も薬でコントロールするだけでは限度があり、たとえ少しでも日々の運動が必要だ。
 
「ほぼ寝たきり」のリハビリなど考えられないのだろうか。もう何をやってもムダだから、「認知症ではリハビリできない」から、と見捨てられているような気がする。
 
重度になったらあとはお迎えが来るだけ・・・かもしれないが、「胃ろうで寝たきり」が何年も続くこともある。重度になったあとも長生きできる、今の時代は。
 
「生きている限り毎日リハビリ」というようにはならないのだろうか。