長生きすれば誰でも認知症になる。。。

認知症について世間一般の認知度は低い。

 

「自分には関係がない、自分だけは認知症にならない」と、まだ多くの人が思っている。盛んに報道されていても関心を持ってないから聞き流してしまう。

 

認知症の知識と理解を広く社会にと、いくら情報発信していても少しも伝わらない。

 

認知症の原因はいろいろあるが、究極的には老化だ。「誰でも長生きすれば行き着く先は認知症だ」ということをどれだけの人がわかっているだろうか。

 

何も知らないから「男は認知症にならない、なりにくい」などと信じている人がいる。男脳・女脳という観点からか、「女はアタマが悪い」という思い込みからか。

 

そういう考えのもとは認知症のおじいさんが少ないからだろう。が、平均寿命から言って、おじいさんはだいたいが認知症が出る前に世を去ってしまう。

 

男は認知症になるほど長生きできないだけだ。認知症になりにくいわけではない。

 

また「女は頭を使わないから認知症になる」とも言う。男は仕事で四六時中アタマを使って社会の根幹を支えているが、女はラクしているからだと。

 

パートのおばさんでも今は責任は負わされていて、決してラクではないのだが。

 

脳のトレーニングで認知機能の低下を抑えることはできるが、それだけで認知症にならないというものではない。脳をフルに使っている人でも時に認知症になる。

 

脳梗塞やパーキンソン病の後遺症としての認知症がそうだ。糖尿病や高血圧で脳血管型認知症が出ることもある。

 

「よくしゃべる人、社交的で活動的な人、いつも動き回っている人は認知症になりにくい」とも言う。会話や外出で脳を使っていると確かに予防にはなっているだろう。

 

が、そんな人も認知症になる。ある年齢まではその効果があったかもしれないが、８０歳や９０歳になれば認知症でない人のほうが少ないだろう。

 

よくしゃべる認知症の老人やいつも動きまわっている認知症の老人はどこにでも普通にいる。だんまりでひきこもるタイプの認知症とどっちが多いだろう。

 

誰でもいつかは認知症になる。認知症は特別なことではない。世間一般がこういう認識を持つようになったら介護の苦労も少し減るのでは。