床ずれができたらなかなか治らない。。。
「床ずれ」を作らない方法はないのだろうか。
手足が不自由になって「寝たきり」や、「ほぼ寝たきり」になった老人には、必ずと言っていいほど、「床ずれ」ができる。背中や腰など、体圧がかかる部分に。
床ズレは簡単にできる。うちのおばあちゃんは数年前に脳梗塞の再発で入院して、二週間ほど動けず寝たきりだったが、それだけで背中に大きな床ズレができた。
原因は体圧だけでなく、栄養不良(脳梗塞で経口摂取が難しく、点滴→流動食)や血行不良だが、傷を治すという自己治癒力の低下のせいで治療していても治らない。
毎日傷口の消毒をして、薬をぬっていても、悪化を防ぐのがせいぜいだった。
この傷口から雑菌が侵入して、感染症を起こしたら老人には治す力がない。免疫力が低下していて、高熱を出して菌を殺すこともできない。床ズレが命とりにもなる。
退院してからは普通食にもどしたので栄養面では問題はなかったのだが、背中や車椅子に座った時に体重がかかる腰のあたりの血行不良という問題は残った。
ベッドには低反発マットやエアマット、車椅子にも低反発クッション、これらをそろえたら治るかというと、あくまでも体圧を軽減するだけに過ぎないから期待はできない。
床ズレはたった二週間で現れるが、消えるのには何倍もかかる。数ヶ月後、リハビリの成果で、おばあちゃんが再び歩けるようになったころにやっと治ったぐらいだ。
ということは、自力で動くことができない限りは治らない。筋力の回復があって、自力で身体の向きを変えられるようになったから治ったということだ。
回復の見込みがない場合、最期まで床ズレの痛みに耐えて暮らすことになる。多くの老人がそうだろう。何とかならないのだろうか。